39PM71|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工心肺装置を用いた体外循環中の心筋保護法について正しいのはどれか。 a.血液併用心筋保護法は心筋浮腫を軽減する。 b.細胞内液型心筋保護液は高ナトリウム液である。 c.常温における心筋虚血の安全限界は 60 分間である。 d.心筋温を 10℃低下させると心筋酸素消費量は 1/10 になる。 e.逆行性心筋保護液灌流法では冠静脈洞にカニューレを挿入する。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、人工心肺中の心筋保護法について問われています。
心筋保護では、心停止を得ること、心筋酸素消費量を下げること、虚血再灌流障害を減らすこと、冠動脈への灌流経路を理解することが重要です。
解説
心筋保護法は、大動脈遮断中に心筋を虚血障害から守るために行います。
代表的には、心筋保護液を冠動脈へ投与し、高カリウムなどにより心停止を得ます。さらに低温管理により心筋酸素消費量を低下させ、心筋障害を軽減します。
小項目を確認します。
a.血液併用心筋保護法は心筋浮腫を軽減する。
正しいです。血液を併用することで酸素運搬能や膠質浸透圧の面で有利となり、晶質液のみの場合に比べて心筋浮腫を軽減しやすいと考えられます。b.細胞内液型心筋保護液は高ナトリウム液である。
誤りです。細胞内液型は、細胞内液に近い組成を意識した心筋保護液です。高ナトリウム液として覚えるのは不適切です。c.常温における心筋虚血の安全限界は 60 分間である。
誤りです。常温では心筋酸素消費量が大きく、虚血許容時間は長くありません。60分間を安全限界として扱うのは不適切です。d.心筋温を 10℃低下させると心筋酸素消費量は 1/10 になる。
誤りです。低温により心筋酸素消費量は低下しますが、10℃低下で1/10になるという表現は過大です。一般に温度低下により代謝は段階的に低下します。e.逆行性心筋保護液灌流法では冠静脈洞にカニューレを挿入する。
正しいです。逆行性灌流では、冠静脈洞から心筋保護液を注入し、冠静脈系を介して心筋へ灌流します。
したがって、正しい小項目は a、e であり、選択肢2が正答です。
臨床工学技士としての注意点
心筋保護では、投与経路、投与圧、投与量、温度、カリウム濃度、投与間隔、冠静脈洞圧、心筋温を確認します。心停止が確実に得られているか、心筋が十分に冷却されているかも重要です。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b の組合せです。aは正しいですが、bが誤りです。細胞内液型心筋保護液を高ナトリウム液として扱うのは不適切です。
2.正しい。
選択肢2は a、e の組合せです。血液併用心筋保護法による心筋浮腫軽減と、逆行性心筋保護液灌流法で冠静脈洞にカニューレを挿入することは、いずれも正しい内容です。
3.誤り。
選択肢3は b、c の組合せです。どちらも誤りです。常温心筋虚血の安全限界を60分間とするのは不適切です。
4.誤り。
選択肢4は c、d の組合せです。どちらも誤りです。低温により酸素消費量は低下しますが、10℃低下で1/10になるとはいえません。
5.誤り。
選択肢5は d、e の組合せです。eは正しいですが、dが誤りです。
覚えるポイント
- 心筋保護法は、大動脈遮断中の心筋虚血障害を減らすために行います。
- 血液併用心筋保護法は、酸素運搬や膠質浸透圧の面で有利です。
- 低温は心筋酸素消費量を低下させます。
- 逆行性心筋保護液灌流法では、冠静脈洞にカニューレを挿入します。
- 心筋保護では、温度、投与経路、圧、カリウム濃度をセットで確認します。