39PM70|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
人工心肺装置を用いた体外循環中の患者管理について正しいのはどれか。 a.低体温体外循環中の pH スタットによる管理には二酸化炭素付加を行う。 b.人工心肺離脱に向けて灌流量を低下させる前にプロタミン投与を行う。 c.人工心肺離脱後は送血カニューレを脱血カニューレよりも先に抜く。 d.人工心肺を完全に離脱するまでは人工呼吸器は使用しない。 e.復温の際の脱血温と送血温の差は 10℃以内とする。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、人工心肺中の酸塩基管理、離脱操作、抗凝固管理、復温管理が問われています。
体外循環管理では、灌流量、圧、温度、酸塩基、抗凝固、換気再開、カニューレ抜去の順序を安全に判断する必要があります。
解説
小項目を確認します。
a.低体温体外循環中の pH スタットによる管理には二酸化炭素付加を行う。
正しいです。pHスタット管理では、患者の実測温度でpHを一定に保つため、二酸化炭素を付加して管理します。b.人工心肺離脱に向けて灌流量を低下させる前にプロタミン投与を行う。
誤りです。プロタミンはヘパリンを中和する薬剤です。体外循環中は抗凝固が必要であり、通常は人工心肺から離脱し、十分に循環が安定してから投与します。灌流量低下前に投与するのは不適切です。c.人工心肺離脱後は送血カニューレを脱血カニューレよりも先に抜く。
誤りです。離脱後も再開の可能性や循環安定化を考慮し、送血側をすぐに先に抜くとは限りません。一般には脱血カニューレを先に抜き、送血カニューレは循環の安定確認や必要時の対応を考えて管理します。d.人工心肺を完全に離脱するまでは人工呼吸器は使用しない。
誤りです。人工心肺離脱に向けて肺換気を再開し、酸素化や換気、肺の膨張を確認します。完全離脱まで人工呼吸器を使用しないという記述は不適切です。e.復温の際の脱血温と送血温の差は 10℃以内とする。
正しいです。復温時は温度差が大きすぎると、気泡発生、血液障害、組織への温度ストレスなどの問題が起こりやすくなります。送血温と脱血温の差を大きくしすぎないことが重要です。
したがって、正しい小項目は a、e であり、選択肢2が正答です。
臨床工学技士としての注意点
人工心肺離脱時は、心拍再開、血圧、中心静脈圧、肺動脈圧、尿量、体温、血液ガス、ACT、人工呼吸器設定、除泡、送脱血状態をチームで確認します。プロタミン投与のタイミングは特に重要です。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1は a、b の組合せです。aは正しいですが、bが誤りです。プロタミンは灌流量低下前ではなく、人工心肺離脱後に循環が安定してから投与します。
2.正しい。
選択肢2は a、e の組合せです。pHスタット管理で二酸化炭素付加を行うこと、復温時の脱血温と送血温の差を10℃以内にすることはいずれも正しいです。
3.誤り。
選択肢3は b、c の組合せです。どちらも誤りです。プロタミン投与の時期とカニューレ抜去の順序を正しく理解する必要があります。
4.誤り。
選択肢4は c、d の組合せです。どちらも誤りです。離脱に向けて人工呼吸器を再開し、換気・酸素化を確認します。
5.誤り。
選択肢5は d、e の組合せです。eは正しいですが、dが誤りです。人工心肺離脱前から人工呼吸器を使用して肺換気を再開します。
覚えるポイント
- pHスタット管理では、低体温中に二酸化炭素付加を行います。
- プロタミンはヘパリン中和薬であり、通常は人工心肺離脱後に投与します。
- 人工心肺離脱に向けて、人工呼吸器を再開して換気・酸素化を確認します。
- 復温時は、送血温と脱血温の差を大きくしすぎないよう管理します。
- 人工心肺管理では、温度、酸塩基、抗凝固、換気、循環を同時に確認します。