39AM50|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
図 1 の RC 回路の複素インピーダンスについて、角周波数 ω[rad/s]を 0 から∞まで連続的に変化させたときのベクトル軌跡を図 2 に示した。図 2 において ω = 1/CR におけるインピーダンスを示すのはどれか。

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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、並列 RC 回路の複素インピーダンスを求め、図2のベクトル軌跡上でどの点に対応するかを判断します。
図1では、抵抗 R とコンデンサ C が並列に接続されています。
並列回路では、インピーダンス Z よりも先にアドミタンス Yを考えると整理しやすくなります。
- 抵抗のアドミタンス:1 / R
- コンデンサのアドミタンス:jωC
- 全体のアドミタンス:Y = 1 / R + jωC
求めたいのはインピーダンスなので、
- Z = 1 / Y
として計算します。
解説
図1の並列 RC 回路のアドミタンスは次のようになります。
- Y = 1 / R + jωC
したがって、複素インピーダンス Z は、
- Z = 1 / Y
- Z = 1 / (1 / R + jωC)
分母を整理するために R をかけると、
- Z = R / (1 + jωCR)
ここで、
- x = ωCR
とおくと、
- Z = R / (1 + jx)
となります。
分母を実数化します。
- Z = R(1 - jx) / (1 + x^2)
よって、実部と虚部は次のようになります。
- 実部:R / (1 + x^2)
- 虚部:-Rx / (1 + x^2)
この問題では、
- ω = 1 / CR
なので、
- x = ωCR
- x = (1 / CR) × C × R
- x = 1
となります。
したがって、
- 実部 = R / (1 + 1^2) = R / 2
- 虚部 = -R × 1 / (1 + 1^2) = -R / 2
つまり、
- Z = R / 2 - jR / 2
です。
図で見るポイント
図2では、横軸が実軸、縦軸が虚軸です。並列 RC 回路のインピーダンス軌跡は、実軸上の R から出発し、周波数が高くなるにつれて原点へ近づく下半円になります。
ω = 1 / CR のときは、実部が R / 2、虚部が -R / 2 になるため、図2の最下点であるエに対応します。
また、このときの偏角は、
- tanθ = 虚部 / 実部
- tanθ = (-R / 2) / (R / 2)
- tanθ = -1
となるため、角度は -45° です。
図2でも、エは実部 R / 2、虚部 -R / 2 の位置にあり、45°方向の点として示されています。
ひっかけポイント
直列 RC 回路ではなく、並列 RC 回路であることに注意します。並列回路では、まずアドミタンスを足してから、最後にインピーダンスへ戻すと計算しやすくなります。
選択肢の確認
1.誤り。
アは実軸上の R の位置です。これは ω = 0 のとき、コンデンサが開放に近い状態となり、回路全体が抵抗 R だけに見える場合に対応します。ω = 1 / CR の点ではありません。
2.誤り。
イは軌跡上で実部が大きく、虚部の絶対値が比較的小さい位置です。ω = 1 / CR のときは実部 R / 2、虚部 -R / 2 となるため、イではありません。
3.誤り。
ウは図中で30°付近の方向にある点です。ω = 1 / CR では偏角が -45°となるため、ウではありません。
4.正しい。
ω = 1 / CR のとき、x = ωCR = 1 です。したがって、
- Z = R / (1 + j)
- Z = R(1 - j) / 2
- Z = R / 2 - jR / 2
となります。図2で実部 R / 2、虚部 -R / 2 の点はエです。
5.誤り。
オは60°付近の方向にある点です。これは ω = 1 / CR のときの偏角 -45°とは一致しません。したがって、ω = 1 / CR に対応する点ではありません。
覚えるポイント
- 図1は抵抗 R とコンデンサ C の並列回路である。
- 並列回路では、まずアドミタンス Yを求めるとよい。
- 並列 RC 回路では、Y = 1 / R + jωC となる。
- インピーダンスは Z = R / (1 + jωCR) で表される。
- ω = 1 / CR のとき、ωCR = 1 である。
- このとき Z = R / 2 - jR / 2 となり、図2ではエに対応する。
- 正答は選択肢4である。