39AM31|第39回 臨床工学技士国家試験 過去問
酸素飽和度の光学的測定について誤っているのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、酸素飽和度の光学的測定について問われています。
特に重要なのは、酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンで、赤色光と赤外光の吸収特性が異なることです。
この問題は「誤っているもの」を選ぶ問題です。記述として誤っている 5 が正答です。
解説
酸素飽和度を光学的に測定する装置では、血液や組織に光を当て、透過光または反射光の変化から酸素化の程度を推定します。
代表的なものに、パルスオキシメータ、NIRS、光トポグラフィ、SVO₂ 連続測定用カテーテルがあります。
まず押さえるべき点は、ヘモグロビンの光吸収特性です。
酸素化ヘモグロビン
赤色光の吸収は相対的に少ない
赤外光の吸収は相対的に多い
還元ヘモグロビン
赤色光を相対的によく吸収する
赤外光の吸収は相対的に少ない
そのため、「ヘモグロビンが酸素化すると赤色光をよく吸収する」という記述は逆です。
ひっかけポイント
パルスオキシメータでは、赤色光と赤外光の吸収差を利用します。酸素化ヘモグロビンが赤色光をよく吸収するのではなく、還元ヘモグロビンが赤色光をよく吸収します。
NIRS は近赤外線を用いて、組織内の酸素化状態を非侵襲的に評価する方法です。脳酸素モニタや光トポグラフィでは、近赤外光が比較的生体組織を透過しやすい性質を利用します。
rSO₂ は regional oxygen saturation のことで、局所組織の酸素化状態を表します。SpO₂ が主に動脈血の拍動成分を反映するのに対し、rSO₂ は測定部位の動脈血、静脈血、毛細血管血を含む組織酸素化の指標です。
透過光の強度は、基本的にはランベルト・ベールの法則で説明されます。吸光物質の濃度や光路長が大きいほど、透過光は弱くなります。
臨床工学技士としての注意点
光学的測定では、体動、低灌流、外光、爪のマニキュア、センサ装着不良、皮膚色、異常ヘモグロビンなどが測定誤差の原因になります。数値だけでなく、波形やセンサ装着状態も確認します。
選択肢の確認
1.記述としては正しい。
NIRS は near-infrared spectroscopy の略で、近赤外線を用いて組織の酸素化状態を測定します。
2.記述としては正しい。
rSO₂ は局所組織の酸素化状態を示す指標です。脳酸素飽和度モニタなどで用いられます。
3.記述としては正しい。
透過光の強度は、吸光物質の濃度や光路長に応じて減衰します。この関係はランベルト・ベールの法則で説明されます。
4.記述としては正しい。
光ファイバ内蔵カテーテルを用いることで、混合静脈血酸素飽和度である SVO₂ を連続的に測定できます。循環動態や酸素需給バランスの評価に用いられます。
5.正答。記述としては誤り。
酸素化ヘモグロビンは、赤色光をよく吸収するのではありません。赤色光を相対的によく吸収するのは還元ヘモグロビンです。酸素化ヘモグロビンは、赤外光の吸収が相対的に大きくなります。
覚えるポイント
- NIRS は近赤外線を用いる測定法です。
- rSO₂ は局所組織の酸素化状態を示します。
- SVO₂ は混合静脈血酸素飽和度です。
- 還元ヘモグロビンは赤色光を相対的によく吸収します。
- 酸素化ヘモグロビンは赤外光を相対的によく吸収します。
- 「酸素化すると赤色光をよく吸収する」は逆なので注意します。