38PM86第38回 臨床工学技士国家試験 過去問

電気電子工学センサ・光電デバイスLED・フォトダイオード・サーモグラフィ・タッチパネル

蛍(けい)光について正しいのはどれか。 a.生体は蛍光を発生しない。 b.蛍光発光によりエネルギー準位が上がる。 c.蛍光発光の波長は物質によらず一定である。 d.励起光とは異なる波長で発光する。 e.励起状態から基底状態への遷移により発光する。

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正解: 5

正答

5

この問題のポイント

この問題では、蛍光の基本原理が問われています。

蛍光では、物質が励起光を吸収して高いエネルギー状態になり、その後、低いエネルギー状態へ戻るときに光を放出します。

小項目の正誤は次のように整理します。

  • a:誤り
  • b:誤り
  • c:誤り
  • d:正しい
  • e:正しい

したがって、d、eを含む選択肢5が正答です。

解説

蛍光は、物質が光を吸収して励起状態になり、その後、基底状態へ戻るときに光を放出する現象です。

励起光を吸収すると、分子や原子の電子は高いエネルギー準位へ移ります。その後、エネルギーを失いながら低い準位へ戻る過程で、蛍光として光を発します。

蛍光発光では、吸収した励起光よりも低いエネルギーの光が放出されることが多いため、一般に蛍光の波長は励起光とは異なり、励起光より長波長側になります。これをストークスシフトとして理解します。

また、生体内にも蛍光を示す物質があります。たとえば、NADH、FAD、コラーゲンなどは自家蛍光に関係します。さらに、蛍光色素や蛍光標識を用いた検査・観察も医用工学で重要です。

ひっかけポイント
「発光する」という言葉からエネルギー準位が上がると考えやすいですが、蛍光発光は励起状態から低いエネルギー状態へ戻るときに起こります。

医用工学でのポイント
蛍光は、蛍光内視鏡、蛍光顕微鏡、フローサイトメトリ、蛍光標識検査などに応用されます。励起光と蛍光の波長が異なることを利用して信号を分離します。

選択肢の確認

1.誤り。
選択肢1はa、bの組合せです。生体にも自家蛍光を示す物質があり、蛍光発光ではエネルギー準位が上がるのではなく下がります。

2.誤り。
選択肢2はa、eの組合せです。eは正しいですが、aが誤りです。生体は蛍光を全く発生しないわけではありません。

3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。蛍光発光ではエネルギー準位は下がり、発光波長は物質によって異なります。

4.誤り。
選択肢4はc、dの組合せです。dは正しいですが、cが誤りです。蛍光発光の波長は物質や環境により異なります。

5.正しい。
選択肢5はd、eの組合せです。蛍光は励起光とは異なる波長で発光し、励起状態から基底状態への遷移により発光します。

覚えるポイント

  • 蛍光は、励起状態から低いエネルギー状態へ戻るときの発光です。
  • 励起光と蛍光は一般に波長が異なります。
  • 蛍光は物質ごとに異なる波長特性をもちます。
  • 生体にも自家蛍光を示す物質があります。
  • 医療では蛍光観察、蛍光標識、蛍光計測に応用されます。

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