38PM35|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
心臓ペースメーカについて正しいのはどれか。 a.慢性心房細動はDDDモードの適応である。 b.完全房室ブロックは心房ペーシングの適応である。 c.Brugada症候群は心臓ペースメーカの適応である。 d.心臓再同期療法(CRT)用は心不全症例に使用する。 e.モービッツⅡ型第2度房室ブロックは心臓ペースメーカの適応である。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、心臓ペースメーカの適応と、CRT、ICDとの違いが問われています。
小項目の正誤は次のように整理します。
- a:誤り
- b:誤り
- c:誤り
- d:正しい
- e:正しい
したがって、d、eを含む選択肢5が正答です。
解説
心臓ペースメーカは、主に徐脈性不整脈に対して心臓へ電気刺激を与え、必要な心拍数を保つための装置です。
DDDモードは、心房と心室の両方で感知と刺激を行い、房室同期を保つことを目的とするモードです。慢性心房細動では心房が規則的に収縮していないため、心房同期を前提とするDDDモードは通常適しません。徐脈を伴う慢性心房細動では、VVIなどの心室ペーシングが考えられます。
完全房室ブロックでは、心房から心室への刺激伝導が途絶えます。心房だけを刺激しても心室へ伝わらないため、心房ペーシング単独では不十分です。心室ペーシング、または洞調律が保たれていれば房室同期を考慮したペーシングが必要になります。
Brugada症候群は、致死性心室性不整脈による突然死リスクが問題となる疾患です。治療機器としては、心臓ペースメーカではなく、主に**植込み型除細動器(ICD)**が重要です。
CRTは、心室の収縮タイミングのずれを補正する治療で、心不全症例に用いられます。特に左脚ブロックなどで心室同期不全がある場合に、右室と左室を協調させて刺激します。
モービッツⅡ型第2度房室ブロックは、突然完全房室ブロックへ進行する危険があるため、心臓ペースメーカの適応になります。
ひっかけポイント
ペースメーカ、CRT、ICDを混同しないことが重要です。ペースメーカは徐脈、CRTは心不全の同期不全、ICDは致死性頻脈性不整脈に対する装置として整理します。
ME機器管理での注意点
ペースメーカ管理では、設定モード、電池残量、リード抵抗、刺激閾値、感度、電磁干渉、MRI対応の有無を確認します。患者の基礎リズムと適応を理解して管理することが大切です。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1はa、bの組合せです。慢性心房細動はDDDモードの通常適応ではなく、完全房室ブロックに心房ペーシング単独は不十分です。
2.誤り。
選択肢2はa、eの組合せです。eは正しいですが、aが誤りです。慢性心房細動では心房同期を前提とするDDDモードは通常適しません。
3.誤り。
選択肢3はb、cの組合せです。完全房室ブロックに心房ペーシング単独は不十分で、Brugada症候群では主にICDが問題になります。
4.誤り。
選択肢4はc、dの組合せです。dは正しいですが、cが誤りです。Brugada症候群は心臓ペースメーカではなく、ICDの適応を考えます。
5.正しい。
選択肢5はd、eの組合せです。CRTは心不全症例に用いられ、モービッツⅡ型第2度房室ブロックは心臓ペースメーカの適応です。
覚えるポイント
- 心臓ペースメーカは主に徐脈性不整脈に用います。
- 慢性心房細動では、DDDモードは通常適しません。
- 完全房室ブロックでは、心房ペーシング単独では不十分です。
- Brugada症候群では、主にICDを考えます。
- CRTは心不全で心室同期不全がある症例に用います。
- モービッツⅡ型第2度房室ブロックはペースメーカ適応として重要です。