38PM34|第38回 臨床工学技士国家試験 過去問
植込み型心臓ペースメーカについて正しいのはどれか。 a.デマンド機構はspike on Tによる心室細動を防ぐ。 b.心臓再同期療法(CRT)は左室と右室を同期して刺激する。 c.リードレスペースメーカは胸部を切開して挿入する。 d.DDD型では電極リードは3本必要である。 e.電源にはリチウム・ヨウ素電池を使用する。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、植込み型心臓ペースメーカの機能、CRT、リードレスペースメーカ、電池について問われています。
小項目の正誤は次のように整理します。
- a:正しい
- b:正しい
- c:誤り
- d:誤り
- e:正しい
したがって、a、b、eを含む選択肢2が正答です。
解説
植込み型心臓ペースメーカは、徐脈性不整脈などに対して心筋へ電気刺激を与え、心拍を補助する装置です。
デマンド機構は、患者自身の心拍を感知し、必要なときだけ刺激を出す仕組みです。自己心拍があるときに不要な刺激を出すと、T波上に刺激が入るspike on Tを起こし、心室細動を誘発する危険があります。デマンド機構はこれを防ぐために重要です。
**心臓再同期療法(CRT)**は、心不全などで心室の収縮タイミングがずれている症例に対し、右室と左室を同期させて刺激する治療です。心室同期不全を改善し、心拍出の効率を高める目的があります。
リードレスペースメーカは、従来のように胸部皮下に本体を植え込み、経静脈リードを接続する構造ではありません。一般に大腿静脈などからカテーテルで心腔内へ挿入し、心内に留置します。そのため「胸部を切開して挿入する」は不適切です。
DDD型は、心房と心室を感知・刺激する二腔ペーシングです。通常は心房リードと心室リードの2本で構成され、3本必要という記述は誤りです。3本のリードを連想するのはCRTで、右房、右室、左室側のリードを用いる場合です。
植込み型心臓ペースメーカの電源には、長寿命で安定したリチウム系電池が用いられ、リチウム・ヨウ素電池は代表的な電池として押さえます。
ME機器管理での注意点
ペースメーカでは、電池残量、リード抵抗、閾値、感度、モード、電磁干渉、MRI対応の有無を確認します。設定だけでなく、患者安全と機器管理を結びつけて理解します。
選択肢の確認
1.誤り。
選択肢1はa、b、cの組合せです。aとbは正しいですが、cが誤りです。リードレスペースメーカは胸部切開で挿入するものではありません。
2.正しい。
選択肢2はa、b、eの組合せです。デマンド機構はspike on Tを防ぐうえで重要で、CRTは左室と右室を同期して刺激し、電源にはリチウム・ヨウ素電池が用いられます。
3.誤り。
選択肢3はa、d、eの組合せです。aとeは正しいですが、dが誤りです。DDD型では通常、電極リードは心房と心室の2本です。
4.誤り。
選択肢4はb、c、dの組合せです。bは正しいですが、cとdが誤りです。
5.誤り。
選択肢5はc、d、eの組合せです。eは正しいですが、cとdが誤りです。
覚えるポイント
- デマンド機構は自己心拍を感知し、不要な刺激を抑制します。
- spike on Tは心室細動につながる危険があるため重要です。
- CRTは右室と左室を同期して刺激します。
- DDD型は通常、心房リードと心室リードの2本で考えます。
- リードレスペースメーカは胸部切開で本体とリードを植え込む従来型とは異なります。
- 植込み型ペースメーカの電源にはリチウム系電池が用いられます。