9PM98|第9回 公認心理師国家試験 過去問
E. T. Gendlin が提唱した、個々人が直接参照可能な、今この瞬間に生起する感じの流れを表す概念に該当するものを 1 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、E. T. Gendlin が提唱した体験過程の概念が問われています。
「今この瞬間に生起する感じの流れ」「個々人が直接参照可能」という表現が手がかりです。
解説
体験過程は、Gendlin が提唱した概念で、今この瞬間に身体を通して感じられている、言葉になる前の漠然とした感じの流れを指します。
Gendlin は、心理療法において、クライエントが自分の内側にある曖昧な感覚に注意を向け、それを少しずつ言葉にしていくことを重視しました。この実践はフォーカシングとして知られています。
体験過程は、単なる感情名や思考内容ではありません。「何となく胸のあたりが重い」「この話をすると引っかかる感じがある」「言葉にしにくいが大事な感じがする」といった、身体感覚を伴う意味の流れです。
心理療法でのポイント
Gendlin とくれば、体験過程やフォーカシングを押さえます。言葉になる前の曖昧な身体感覚に注意を向けることが重要です。
公認心理師としては、クライエントの語りだけでなく、その場で生じている感情、身体感覚、沈黙、言葉にならない違和感を丁寧に扱う姿勢が大切です。
選択肢の確認
1.純粋性
判定:誤り。
純粋性は、C. Rogers の来談者中心療法で重視されるセラピストの基本的態度の1つで、自己一致とも関連します。Gendlin が提唱した今この瞬間の感じの流れを表す概念ではありません。
2.体験過程
判定:最も適切。
体験過程は、Gendlin が提唱した、個々人が直接参照できる、今この瞬間に生起する感じの流れを表す概念です。本問の説明に合致します。
3.共感的理解
判定:誤り。
共感的理解は、クライエントの内的世界を、その人の立場から理解しようとする態度です。来談者中心療法で重要ですが、本問の Gendlin の概念としては体験過程が適切です。
4.マインドフルネス
判定:誤り。
マインドフルネスは、今この瞬間の体験に評価を加えず注意を向けるあり方です。体験過程と似た面はありますが、Gendlin が提唱した概念として本問で問われているのは体験過程です。
5.関与しながらの観察
判定:誤り。
関与しながらの観察は、H. S. Sullivan の対人関係論などで用いられる概念で、治療者も相互作用の一部として関与しながら観察することを指します。Gendlin の体験過程とは異なります。
覚えるポイント
- Gendlin とくれば、体験過程とフォーカシングを押さえます。
- 体験過程は、今この瞬間に生じる、言葉になる前の感じの流れです。
- 純粋性、共感的理解は Rogers の来談者中心療法の基本的態度と関連します。
- 関与しながらの観察は Sullivan と関連します。