9PM130|第9回 公認心理師国家試験 過去問
J. H. Schultz によって創始された自律訓練法について、適切なものを 2 つ選べ。
解答・解説を見る
正解: 1・3
正答
1、3
この問題のポイント
この問題では、J. H. Schultz によって創始された自律訓練法の基本的特徴が問われています。
自律訓練法では、身体感覚に対して努力して変えようとするのではなく、受動的注意集中を向けることが重要です。また、訓練中に訓練公式とは異なる心理的・生理的反応が生じることがあり、これを自律性解放として理解します。
解説
自律訓練法は、自己暗示的な公式を用いて心身のリラクセーションを促す心理療法・リラクセーション法です。代表的には、手足の重感、温感、心臓、呼吸、腹部、額の涼感などの公式があります。
重要なのは、身体感覚を無理に作り出そうとしないことです。「重くしよう」「温かくしよう」と努力するのではなく、自然に生じる感覚に穏やかに注意を向けます。この態度を受動的注意集中といいます。
また、訓練中には、涙が出る、身体が揺れる、過去の記憶が浮かぶ、不安や違和感が出るなど、訓練公式とは異なる反応が生じることがあります。これは自律性解放と呼ばれ、心理的・生理的緊張の変化として理解されます。
一方で、一度の訓練時間が長いほどよいわけではありません。短時間でも継続的に行うことが大切です。また、訓練後には通常、眠りに入る場合などを除き、覚醒水準を戻すための消去動作を行います。消去動作はリラックス状態を維持するためではなく、日常活動に戻るために行います。
ひっかけポイント
自律訓練法では、「リラックスを努力して作る」のではなく、「受動的に注意を向ける」ことが大切です。消去動作の目的もよく問われます。
選択肢の確認
1.自身の身体感覚に受動的注意を向ける。
判定:適切。
自律訓練法では、身体感覚を無理に変えようとせず、自然に生じる感覚に受動的に注意を向けます。これは受動的注意集中と呼ばれる重要な態度です。
2.一度の訓練時間が長いほど効果的である。
判定:適切とはいえない。
自律訓練法は、一度に長時間行えばよいというものではありません。短時間の訓練を適切な方法で継続することが重要です。長時間の実施は、かえって不快感や疲労につながることもあります。
3.訓練公式とは異なる心理的・生理的反応が生じる。
判定:適切。
訓練中には、訓練公式とは異なる感情、身体感覚、記憶、イメージなどが生じることがあります。これは自律性解放として理解され、自律訓練法の学習上重要な現象です。
4.副交感神経優位から交感神経優位な状態へ移行する。
判定:適切とはいえない。
自律訓練法は、一般にリラクセーションを促し、交感神経優位の緊張状態から副交感神経優位の落ち着いた状態へ向かうことを目指します。選択肢は方向が逆です。
5.リラックスした状態を維持するための消去動作を行う。
判定:適切とはいえない。
消去動作は、リラックス状態を維持するためではなく、訓練後に覚醒水準を戻し、日常活動へ安全に移行するために行います。腕の屈伸、深呼吸、開眼などが含まれます。
覚えるポイント
- 自律訓練法は、J. H. Schultz が創始したリラクセーション法です。
- 基本姿勢は、受動的注意集中です。
- 訓練公式とは異なる反応は、自律性解放として押さえます。
- 一度の訓練を長くすればよいわけではありません。
- 消去動作は、リラックス維持ではなく、覚醒水準を戻すために行います。