9PM80|第9回 公認心理師国家試験 過去問
組織的事故は、単独で発生するものではなく、複数の事象が連鎖して発生するという考え方に該当するものを 1 つ選べ。
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正解: 4
正答
4
この問題のポイント
この問題では、組織的事故が複数の防護層の弱点をすり抜けて発生するというスイスチーズ・モデルが問われています。
「単独で発生するものではない」「複数の事象が連鎖」という表現が手がかりです。
解説
スイスチーズ・モデルは、事故が一つのミスだけで起こるのではなく、複数の防御策や安全管理上の穴が重なったときに発生するという考え方です。
スイスチーズの一枚一枚は、安全確認、マニュアル、教育、チーム連携、設備、チェック体制などの防護層を表します。それぞれに穴があっても、通常は別の層が事故を防ぎます。しかし複数の穴が一直線に重なると、危険がすり抜けて事故に至ります。
医療、福祉、教育、産業などの現場では、事故を個人の不注意だけで説明するのではなく、組織全体の仕組み、情報共有、業務量、確認手順、教育体制などを見直すことが重要です。
公認心理師としての注意点
組織的事故では、個人を責めるだけでは再発防止につながりません。ヒューマンエラーが起こりにくい仕組みを作る視点が必要です。
本問では、複数の事象が連鎖して組織的事故が発生する考え方を問うているため、スイスチーズ・モデルが最も適切です。
選択肢の確認
1.ヒヤリ・ハット
判定:誤り。
ヒヤリ・ハットは、事故には至らなかったものの、危うく事故になりそうだった出来事を指します。事故予防に重要な情報ですが、複数の事象が連鎖して事故が発生するモデルそのものではありません。
2.ヒューマンエラー
判定:誤り。
ヒューマンエラーは、人間の行為や判断の誤りを指します。事故の一因になることはありますが、組織的事故が複数の防護層の弱点を通って発生するという考え方はスイスチーズ・モデルです。
3.ハインリッヒの法則
判定:誤り。
ハインリッヒの法則は、重大事故の背後には多数の軽微な事故やヒヤリ・ハットが存在するという経験則です。事故予防で重要ですが、本問の「複数の事象が連鎖して発生する」という説明にはスイスチーズ・モデルがより適切です。
4.スイスチーズ・モデル
判定:正しい。
スイスチーズ・モデルは、複数の防護層にある弱点や穴が重なったときに事故が発生するという考え方です。組織的事故が単独の原因ではなく、複数の事象の連鎖で起こることを説明します。
5.スタンダードプリコーション
判定:誤り。
スタンダードプリコーションは、感染対策における標準予防策です。すべての患者の血液や体液などを感染の可能性があるものとして扱う考え方であり、組織的事故の連鎖を説明するモデルではありません。
覚えるポイント
- スイスチーズ・モデルは、複数の防護層の穴が重なって事故が起こるという考え方です。
- 事故は個人のミスだけでなく、組織や仕組みの問題として捉えます。
- ヒヤリ・ハットは、事故に至らなかった危険な出来事です。
- ハインリッヒの法則は、重大事故の背後に多数の軽微な事故やヒヤリ・ハットがあるという考え方です。