9PM117|第9回 公認心理師国家試験 過去問
質的研究において、複数の方法や対象者を組み合わせて、多角的な視点から対象を立体的に理解することを目指すアプローチとして、最も適切なものを 1 つ選べ。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、質的研究で多角的に対象を理解するためのトライアンギュレーションが問われています。
複数の方法、複数の対象者、複数の研究者、複数のデータ源を組み合わせることが手がかりです。
解説
トライアンギュレーションは、質的研究において、複数の視点や方法を組み合わせて、研究対象をより立体的に理解しようとするアプローチです。
例えば、ある支援プログラムについて研究する場合、利用者へのインタビューだけでなく、支援者へのインタビュー、観察記録、文書資料、アンケートなどを組み合わせることがあります。
トライアンギュレーションには、次のような形があります。
- データのトライアンギュレーション
- 方法のトライアンギュレーション
- 研究者のトライアンギュレーション
- 理論のトライアンギュレーション
1つの方法や1人の視点だけでは見落としや偏りが生じることがあります。複数の視点を組み合わせることで、対象の理解を深め、研究の信頼性を高めることが期待されます。
研究法でのポイント
質的研究では、客観性を単純な数値だけで担保するのではなく、データ収集や分析の透明性、多角的な検討、研究者の省察が重要です。
選択肢の確認
1.ディスコース分析
判定:誤り。
ディスコース分析は、言語、語り、会話、社会的文脈の中で意味がどのように構成されるかを分析する方法です。複数の方法や対象者を組み合わせる多角的理解そのものを表す用語ではありません。
2.理論的サンプリング
判定:誤り。
理論的サンプリングは、グラウンデッド・セオリー・アプローチなどで、分析の進展に応じて理論構築に必要な対象者やデータを選んでいく方法です。多角的視点を組み合わせるアプローチとしてはトライアンギュレーションが適切です。
3.フォーカス・グループ
判定:誤り。
フォーカス・グループは、特定のテーマについて少人数の参加者が話し合い、その相互作用からデータを得る方法です。データ収集法の1つであり、複数の方法や対象者を組み合わせる考え方そのものではありません。
4.オープン・コーディング
判定:誤り。
オープン・コーディングは、質的データを細かく読み、概念やカテゴリーを見いだす分析手続です。複数の方法や視点を組み合わせるアプローチではありません。
5.トライアンギュレーション
判定:最も適切。
トライアンギュレーションは、複数の方法、対象者、研究者、理論などを組み合わせ、多角的な視点から対象を立体的に理解することを目指すアプローチです。本問の説明に合致します。
覚えるポイント
- トライアンギュレーションは、複数の視点や方法を組み合わせる質的研究の考え方です。
- データ、方法、研究者、理論のトライアンギュレーションがあります。
- フォーカス・グループはデータ収集法、オープン・コーディングは分析手続です。
- 質的研究では、透明性と多角的な検討が信頼性を高めます。