8PM142第8回 公認心理師国家試験 過去問

精神疾患とその治療-06 気分症:うつ病・双極症・気分変調・気分循環

25歳の女性A、会社員。気分が沈んでおり、朝から身体がだるいと訴え、職場の健康相談室を訪れた。Aによると、大学4年生の頃から、調子が良くなったり悪くなったりすることを繰り返しているという。調子が良いときは、百貨店で高級化粧品を買い込んだり、SNS に大量の書き込みをしたりする。調子が悪くなると、食欲がなくなり、外出もおっくうになるが、仕事に行くことは出来ている。調子が良くても悪くても、数日しか続かない。新卒で就職したが、職場で孤立し、既に2度の転職を経験している。友人からは、「気まぐれ屋さん」と呼ばれている。精神科の受診歴や薬物の乱用経験はない。 ``` Aの病態の理解として、最も適切なものを1つ選べ。

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正解: 3


## 正答

3

## この問題のポイント

この問題では、軽躁的な状態と抑うつ的な状態が、明確な躁病エピソードや大うつ病エピソードには至らない程度で長期間繰り返される**気分循環性障害**を判断することが問われています。

事例のキーワードは、「調子が良くなったり悪くなったりを繰り返す」「数日しか続かない」「高級化粧品を買い込む」「SNSに大量の書き込み」「仕事には行けている」です。

## 解説

**気分循環性障害**は、軽躁症状と抑うつ症状が長期間にわたり反復するものの、双極Ⅰ型障害の躁病エピソードや、双極Ⅱ型障害でみられる明確な軽躁病エピソードと大うつ病エピソードの基準を満たさない状態として理解されます。

Aは大学4年生の頃から、調子が良い時期と悪い時期を繰り返しています。調子が良いときには高級化粧品を買い込んだり、SNSに大量の書き込みをしたりします。一方、調子が悪いと食欲がなくなり、外出がおっくうになりますが、仕事には行けています。

また、調子の良い時期も悪い時期も数日しか続かないとされています。これは、躁病エピソードや大うつ病エピソードとしては十分ではない気分変動が続いている状態として理解できます。

職場で孤立し、転職を繰り返していることから、対人関係や職業生活にも影響が出ています。したがって、気分循環性障害が最も適切です。

> 精神疾患のポイント
> 双極Ⅰ型は躁病エピソード、双極Ⅱ型は軽躁病エピソードと大うつ病エピソード、気分循環性障害は軽躁的・抑うつ的な気分変動が長く続く状態として整理します。

## 選択肢の確認

1.双極I型障害
判定:適切とはいえない。
双極Ⅰ型障害では、躁病エピソードがみられます。Aには、入院を要するほどの著しい機能障害や精神病症状を伴う躁状態は示されていません。

2.双極Ⅱ型障害
判定:適切とはいえない。
双極Ⅱ型障害では、軽躁病エピソードと大うつ病エピソードがみられます。Aの調子の良い時期も悪い時期も数日しか続かず、大うつ病エピソードとしての重症度や持続は明確ではありません。

3.気分循環性障害
判定:最も適切。
軽躁的な状態と抑うつ的な状態が、明確な躁病エピソードや大うつ病エピソードに至らない程度で長期間繰り返されています。Aの状態として最も適切です。

4.大うつ病性障害
判定:適切とはいえない。
大うつ病性障害では、抑うつ気分や興味・喜びの低下などが一定期間まとまって出現します。Aには調子の良い時期も繰り返しみられており、大うつ病性障害だけでは説明しにくいです。

5.持続性抑うつ障害
判定:適切とはいえない。
持続性抑うつ障害では、慢性的な抑うつ気分が中心です。Aには調子が良くなる時期もあり、買い込みやSNSへの大量投稿など軽躁的な特徴もみられるため、気分循環性障害が適切です。

## 覚えるポイント

* **気分循環性障害**は、軽躁的症状と抑うつ的症状が長期間繰り返される状態です。
* 双極Ⅰ型は躁病、双極Ⅱ型は軽躁病と大うつ病の組合せです。
* 気分変動の持続期間、重症度、生活機能への影響を確認します。

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