8PM136第8回 公認心理師国家試験 過去問

心理療法・心理支援-06 家族療法・ナラティブ・グループ

13歳の女子A、中学1年生。父親Bと母親Cとの三人暮らしである。中学に入学後しばらくして、理由ははっきりとしないものの不登校になり、その状態が継続している。Bは仕事が多忙という理由で、家族に関することにはあまり関心を示さず、そのことでCと口論になることが多かった。しかし、Aの不登校をきっかけに、BはCとの間で、Aの状態に関する情報を共有するための会話が増えた。 ```` ``` 家族システム論の観点から、この家族関係を説明する心理学用語として、最も適切なものを1つ選べ。

解答・解説を見る

正解: 1


## 正答

1

## この問題のポイント

この問題では、家族システム論における**迂回連合**を、事例の家族関係から理解できるかが問われています。

事例のキーワードは、「父母の口論」「父が家族に関心を示さない」「Aの不登校をきっかけに父母の会話が増えた」です。

## 解説

**迂回連合**とは、夫婦間や家族内の葛藤が、子どもの問題をめぐって迂回的に扱われることで、家族の均衡が保たれるような関係を指します。

本事例では、父親Bは仕事が多忙という理由で家族にあまり関心を示さず、そのことで母親Cと口論になることが多かったとされています。つまり、夫婦間にはもともと葛藤がありました。

しかし、Aが不登校になったことをきっかけに、BとCはAの状態について情報共有するための会話が増えています。Aの不登校が、夫婦間の距離を一時的に近づけ、家族内の葛藤を別の形で扱う機能を持っていると理解できます。

家族システム論では、子どもの症状を子ども個人だけの問題として見るのではなく、家族全体の関係性やコミュニケーションの中でどのような意味を持つかを検討します。

> 家族療法のポイント
> 家族システム論では、症状を「誰か一人の問題」として固定せず、家族全体の相互作用の中で理解します。

## 選択肢の確認

1.迂回連合
判定:最も適切。
Aの不登校をめぐって父母の会話が増え、もともとの夫婦間葛藤が子どもの問題を介して扱われています。家族システム論でいう迂回連合として理解できます。

2.自己分化
判定:適切とはいえない。
自己分化は、家族から情緒的に巻き込まれすぎず、自分の考えや感情を保つ能力に関する概念です。本事例の父母と子どもの症状をめぐる関係を説明するには迂回連合が適切です。

3.ジェノグラム
判定:適切とはいえない。
ジェノグラムは、家族構成や世代間関係を図式化する方法です。心理学用語として家族関係の構造を記録する道具であり、本事例の関係パターンそのものを説明する概念ではありません。

4.てんめん状態
判定:適切とはいえない。
てんめん状態は、家族成員同士の境界が曖昧で、過度に密着している状態を指します。本事例では、子どもの症状を介して夫婦関係が変化している点が中心です。

5.ダブルバインド
判定:適切とはいえない。
ダブルバインドは、矛盾したメッセージを受け、どちらに応じても否定されるようなコミュニケーション状況です。本事例にはそのような矛盾した命令関係は示されていません。

## 覚えるポイント

* **迂回連合**は、子どもの症状が夫婦間葛藤を迂回的に扱う機能を持つ関係です。
* 家族システム論では、症状を家族全体の相互作用の中で理解します。
* ジェノグラムは家族図、ダブルバインドは矛盾したメッセージとして区別します。

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