38Q77第38回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

Aさん(22歳、女性)は、施設で介護福祉職として勤務し、食事や睡眠を工夫しながら、一人暮らしをしている。日々の生活や勤務状況に問題はない。職場にAさんと年齢の近い介護福祉職はおらず、休憩時間や休みの日も一人で過ごしている。Aさんは、「自分の仕事ぶりを上司に認めてほしいという気持ちはない。それよりも、仕事やそれ以外のことを深く話せる同年代の同僚がほしい」と思っている。 次のマズロー(Maslow, A.H.)の欲求階層説の各段階のうち、Aさんの現在の気持ちが当てはまるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 2

正答

2

この問題のポイント

マズローの欲求階層説について、事例の人物が現在求めているものを、言葉や生活状況から判断する問題です。

Aさんは食事や睡眠を工夫しており、日常生活や勤務にも問題はありません。また、上司から評価されたいのではなく、同年代の同僚と仕事や私生活について深く話したいと望んでいます。この「仲間とつながりたい」「親しい関係を築きたい」という気持ちは、所属・愛情の段階に当てはまります。

解説

マズローは、人間の欲求を、低次から生理的欲求、安全欲求、所属・愛情欲求、承認欲求、自己実現欲求の5段階に整理しました。

所属・愛情欲求には、集団の一員でありたい、仲間を得たい、他者と親密な関係を築きたい、愛し愛されたいという欲求が含まれます。Aさんは一人暮らしをし、職場にも同年代の介護福祉職がおらず、休憩時間や休日も一人で過ごしています。そして、深く話せる同年代の同僚を求めています。これは、職場や仲間とのつながりを求める気持ちであるため、正答は2です。

一方、上司から仕事ぶりを認めてほしいという気持ちはないと明記されています。したがって、他者からの評価や尊敬を求める承認欲求ではありません。

実際の人間の欲求は、必ず一段ずつ完全に満たされてから次へ進むとは限らず、複数の欲求が同時に存在することもあります。国家試験では、事例中で最も強く表現されている気持ちがどの段階に該当するかを判断します。

選択肢の確認

1.生理的欲求

誤りです。 食事、睡眠、排泄、呼吸など、生命を維持するための基本的な欲求です。Aさんは食事や睡眠を工夫し、日々の生活に問題はないため、事例の中心となる欲求ではありません。

2.所属・愛情欲求

正しいです。 仲間や集団に所属し、他者と親しい関係を築きたいという欲求です。深く話せる同年代の同僚がほしいというAさんの気持ちに当てはまります。

3.安全欲求

誤りです。 危険を避け、身体的・経済的・生活上の安定を得たいという欲求です。事例には、住居、仕事、健康などの安全が脅かされている状況は示されていません。

4.承認欲求

誤りです。 他者から評価されたい、認められたい、尊敬されたいという欲求です。Aさんは、上司に仕事ぶりを認めてほしいという気持ちはないと明確に述べています。

5.自己実現欲求

誤りです。 自分の能力や可能性を発揮し、自分らしい目標を実現したいという欲求です。事例の焦点は能力の発揮や目標達成ではなく、同年代の仲間とのつながりです。

覚えるポイント

  • 生理的欲求:食事、睡眠、排泄など生命維持に必要なもの。
  • 安全欲求:安全、安定、危険からの保護。
  • 所属・愛情欲求:仲間、家族、親密な人間関係。
  • 承認欲求:評価、尊敬、自尊心。
  • 自己実現欲求:能力や可能性の発揮。

「仲間がほしい」「誰かと深く話したい」は所属・愛情、「認められたい」「評価されたい」は承認と区別します。

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