38Q76第38回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

高齢者のセクシュアリティ(sexuality)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

加齢に伴う性機能の生理的変化と、生涯にわたるセクシュアリティの考え方を区別する問題です。

加齢により性ホルモンや身体機能は変化しますが、性への関心、親密さ、愛情、自己認識などが一律になくなるわけではありません。高齢者を性的な存在ではないと決めつけない姿勢が重要です。

解説

セクシュアリティは性交や生殖能力だけを意味するものではありません。性的関心、親密さ、愛情表現、性自認、身体に対する認識、人との関係などを含む幅広い概念であり、高齢期にも存在します。

女性では閉経に伴ってエストロゲンの分泌が低下します。その影響で腟粘膜が薄くなり、乾燥しやすくなったり、弾力性や潤滑が低下したりします。このため、性交時に痛みを感じやすくなることがあります。すべての女性に同じ変化が起こるわけではありませんが、加齢に伴う生理的変化として理解しておく必要があります。

男性でも、加齢に伴ってテストステロンなどの性ホルモンの分泌は一般に緩やかに低下し、勃起や射精に変化が生じることがあります。しかし、身体機能の変化と性的関心の消失は同じではありません。

性的欲求には、身体状態、疾患、薬剤、心理状態、パートナーとの関係、生活環境、価値観など多くの要因が関係します。集団として性差がみられることはあっても個人差が非常に大きいため、性別や年齢だけで本人の希望を推測してはいけません。

介護実践でのポイント
高齢者の恋愛や性的関心を否定したり、からかったりせず、本人の尊厳とプライバシーを守ります。痛みや不快感などの相談があれば、本人の同意を得て医療職へつなぎます。他者が関わる行為では、双方の意思と同意、安全の確認が欠かせません。

選択肢の確認

1.高齢になると性への関心がなくなる。

誤りです。 性的関心の程度には個人差がありますが、加齢だけを理由に一律になくなるとはいえません。高齢期にも親密さや愛情、性的関心は存在します。

2.男性は、高齢になっても性ホルモンの分泌が維持される。

誤りです。 男性の性ホルモンの分泌も加齢に伴って一般に低下します。急激な変化とは限りませんが、変化せず維持されるとするのは適切ではありません。

3.女性は、高齢になると性交痛を感じやすくなる。

正しいです。 閉経後のエストロゲン低下によって腟粘膜の萎縮や乾燥、潤滑低下などが起こり、性交時の痛みを感じやすくなります。

4.高齢者は生殖機能の喪失と同時にセクシュアリティ(sexuality)を喪失する。

誤りです。 セクシュアリティは生殖能力だけではなく、性的関心、親密さ、愛情、自己認識、人間関係などを含みます。生殖機能が低下しても失われるものではありません。

5.高齢者の性的欲求に、性差はみられない。

誤りです。 性的欲求には集団として性差がみられることがあります。ただし個人差が大きく、性別だけでその人の欲求や関心を判断することも不適切です。

覚えるポイント

  • セクシュアリティは、生殖や性交だけでなく、親密さ、愛情、自己認識なども含む。
  • 女性ではエストロゲン低下により腟の乾燥や萎縮が起こり、性交痛を生じやすくなる。
  • 男性の性ホルモンも加齢に伴って低下する。
  • 高齢者の性を一律に否定せず、尊厳、プライバシー、本人の意思を尊重する。

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