37Q57|第37回 介護福祉士国家試験 過去問
次の記述のうち、「障害者差別解消法」の合理的配慮に沿った対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。 (注)「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。
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正解: 5
正答
5.知的障害者から申し出があったので、会議に参加するための資料をわかりやすい言葉に直して、事前に口頭で説明した。
この問題のポイント
合理的配慮とは、障害のある人がほかの人と同等にサービスや機会を利用できるよう、個別の状況に応じて社会的障壁を取り除くための変更や調整を行うことです。
本人からの申し出を踏まえ、わかりやすい資料と事前説明によって会議への参加を支えた選択肢5が最も適切です。
解説
障害者差別解消法の正式名称は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」です。この法律は、障害を理由とする不当な差別的取扱いを禁止し、社会的障壁を取り除くための合理的配慮の提供を求めています。
合理的配慮は、障害のある人から社会的障壁を取り除くための対応を必要としているという意思が示され、その実施に伴う負担が過重でない場合に行う、必要かつ合理的な変更や調整です。2024年4月1日からは、行政機関等だけでなく民間事業者にも合理的配慮の提供が義務づけられています。
配慮の内容は、障害名だけで一律に決めるものではありません。本人が何に困り、どのような方法なら利用しやすいかを確認し、本人と事業者等が建設的な対話をしながら実現可能な方法を検討します。
選択肢5では、知的障害のある本人からの申し出を受け、会議資料をわかりやすい言葉に直して事前に口頭で説明しています。情報を理解しやすくすることで、本人が会議に参加して意見を表明できる機会を支えているため、合理的配慮に沿った対応です。
合理的配慮は、支援者が本人に代わって選ぶことではありません。本人がほかの人と同じように選択し参加できるよう、障壁となる環境や情報の伝え方を調整することです。
ひっかけポイント
支援者がよいと思う対応を一方的に行うだけでは十分ではありません。本人の申し出や意向を確認し、本人の選択と参加につながる方法を検討します。
介護実践でのポイント
わかりやすい言葉、短い文、図や写真、読み上げ、筆談、静かな場所など、必要な配慮は人によって異なります。本人に確認し、うまくいかなければ対話しながら方法を見直します。
選択肢の確認
1.車いすの身体障害者から、陳列棚にある商品を見せてほしいと言われたが、口頭で商品を説明した。
誤りです。 本人は商品を見せてほしいと申し出ています。可能であれば商品を見やすい、または手に取れる位置へ移すなど、本人の希望を確認して対応します。口頭説明だけで申し出を置き換えるのは適切ではありません。
2.聴覚障害者の手話による注文がわからなかったので、最も人気のあるメニューを出した。
誤りです。 本人に確認せず店側がメニューを決めており、本人の選択権を奪っています。筆談、指さし、写真付きメニュー、スマートフォンへの文字入力など、本人と意思疎通できる方法を検討します。
3.盲導犬を連れた視覚障害者が来店したが、動物嫌いの客から苦情を言われると思い、犬は店の中に入れないように頼んだ。
誤りです。 苦情が出るかもしれないという予測だけで盲導犬の同伴を拒むことは、本人の施設利用を妨げます。身体障害者補助犬法も踏まえ、ほかの客に盲導犬の役割を説明するなど、本人が利用できる方法を検討します。
4.役所に相談に来た精神障害者から、多くの人の中だと不安になると言われたため、帰宅してもらった。
誤りです。 帰宅を求めることは、相談の機会から本人を排除する対応です。静かな部屋や人の少ない場所へ案内する、予約時間を調整するなどの方法を本人と相談します。
5.知的障害者から申し出があったので、会議に参加するための資料をわかりやすい言葉に直して、事前に口頭で説明した。
正しいです。 本人の申し出を踏まえて情報の伝え方を調整し、会議への参加と意思表明を支えています。本人とほかの参加者との機会の平等につながる合理的配慮です。
覚えるポイント
- 合理的配慮は、社会的障壁を取り除くための個別の変更や調整である。
- 本人の意向を確認し、建設的な対話によって方法を考える。
- 過重な負担でない範囲で、代替方法も含めて柔軟に検討する。
- 支援者が本人に代わって選ぶのではなく、本人の選択と参加を支える。
- 2024年4月から、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務づけられている。