36Q34第36回 介護福祉士国家試験 過去問

こころとからだのしくみ発達と老化の理解

エイジズム(ageism)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1.高齢を理由にして、偏見をもったり差別したりすることである。

この問題のポイント

エイジズムとは、年齢を理由とする固定観念、偏見、差別のことです。

この問題では、高齢者を「年を取っているから」というだけで一律に捉え、不利益な扱いをすることを示す選択肢1が適切です。

解説

エイジズムは、年齢に基づいて人を一括りにし、能力、性格、希望、生活の可能性などを決めつけることです。世界保健機関は、年齢に基づく固定観念を「考え方」、偏見を「感じ方」、差別を「行動」として整理しています。

たとえば、「高齢者には新しいことは理解できない」「危ないから何もさせない」「本人ではなく家族だけに説明する」といった対応は、本人の実際の能力や希望を確かめず、年齢だけで判断しているため、エイジズムにつながります。

エイジズムは対人関係だけでなく、制度や組織の中、本人が年齢に関する固定観念を自分自身へ向ける場合にも生じます。また、本来は高齢者だけでなく、若者を年齢だけで評価することも含む概念です。ただし、本問では高齢を理由とする偏見・差別が問われています。

介護では、安全への配慮が必要であっても、年齢だけを理由に活動を制限してはいけません。心身機能、生活歴、価値観、本人ができること、支援があればできることを個別に把握し、本人の意思決定と社会参加を支えます。

ひっかけポイント
「高齢になることを嫌う気持ち」は年齢に対する偏見の一部になり得ますが、エイジズム全体の説明ではありません。固定観念、偏見、差別までを含む選択肢を選びます。

介護実践でのポイント
「高齢だから無理」と先回りして介助せず、本人へ直接説明して希望を確認します。子ども扱いする言葉を避け、できる動作や役割を生かし、必要な部分だけを支援します。

選択肢の確認

1.高齢を理由にして、偏見をもったり差別したりすることである。
正しいです。
高齢であることを理由に固定的な見方をし、不利益な扱いをすることはエイジズムに該当します。

2.高齢になっても生産的な活動を行うことである。
誤りです。
高齢者が仕事、家事、地域活動、創作活動などを続けること自体はエイジズムではありません。ただし、生産性の有無だけで人の価値を判断しない配慮も必要です。

3.高齢になることを嫌悪する心理のことである。
誤りです。
加齢への嫌悪は年齢に関する偏見の一部となることがありますが、エイジズムは心理だけでなく、固定観念や差別的な行動・制度も含む、より広い概念です。

4.加齢に抵抗して、健康的に生きようとすることである。
誤りです。
健康の維持を目指す行動を説明しており、年齢を理由とする偏見や差別の説明ではありません。

5.加齢を受容して、活動的に生きようとすることである。
誤りです。
加齢を受け止めながら活動的に暮らす姿勢を示しており、エイジズムの定義ではありません。

覚えるポイント

エイジズムは、年齢に基づく固定観念、偏見、差別です。

対人関係、制度・組織、本人自身の内面に生じることがあります。

高齢者だけでなく、あらゆる年齢の人が対象になり得ます。

年齢だけで能力や希望を決めつけず、本人を個別に理解します。

安全確保を理由に過剰に制限せず、本人の意思と持てる力を生かします。

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