35Q38|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
高齢者の脱水に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5.体重が減ることがある。
この問題のポイント
高齢者は、若年者より体内水分量が少なく、口渇感も低下しやすいため、脱水になりやすい状態にあります。
脱水では体内の水分が失われるため、短期間に体重が減ることがあります。普段の体重と比較した急な体重減少は、脱水を疑う重要な手がかりの一つです。
解説
高齢者では、筋肉量の減少や体脂肪率の増加に伴って、体重に占める水分の割合が若年者より少なくなります。また、口渇を感じる機能や腎臓で尿を濃縮して水分を保持する機能も低下します。
さらに、認知機能の低下、嚥下障害、移動能力の低下、食欲不振、発熱、発汗、嘔吐、下痢、利尿薬の使用、失禁や頻尿を心配して水分を控えることなどが重なると、脱水の危険が高まります。
脱水によって循環血液量が減少すると、血圧低下、起立時のふらつき、頻脈、尿量減少、倦怠感などが現れることがあります。さらに進行すると、意識状態の変化やせん妄、腎機能の悪化などにつながる可能性があります。
体重の減少は、体液が失われたことを示す手がかりになります。ただし、体重減少だけで脱水と診断するのではなく、水分摂取量、排泄、発熱や下痢の有無、口腔内の乾燥、尿量、血圧、脈拍、意識状態などを総合的に確認します。
ひっかけポイント
脱水になると一般には口渇が起こりますが、高齢者では口渇感が鈍くなりやすいため、本人が「喉は渇いていない」と話していても脱水を否定できません。
介護実践でのポイント
普段から飲水量、食事量、尿量、便の状態、体重、発熱、発汗、口腔内の乾燥、元気や意識状態の変化を観察します。心不全や腎不全などで水分制限がある人や嚥下障害のある人には、一律に飲水を勧めず、医師、看護師、管理栄養士、言語聴覚士などの指示を確認します。
選択肢の確認
1.若年者よりも口渇感を感じやすい。
誤りです。
高齢者は、口渇を感じる機能が低下しやすく、若年者より喉の渇きを自覚しにくい傾向があります。そのため、本人の訴えだけに頼らず、時間を決めた水分摂取や継続的な観察が必要です。
2.体内水分量は若年者よりも多い。
誤りです。
高齢者では筋肉量が減少し、体脂肪率が増加するため、体内水分量は若年者より少なくなります。水分の蓄えが少ないことが、脱水になりやすい理由の一つです。
3.起立時に血圧が上がりやすくなる。
誤りです。
脱水で循環血液量が減少すると、起立したときに血圧が低下し、立ちくらみやふらつきが起こることがあります。高齢者はもともと起立性低血圧を生じやすいため、転倒にも注意します。
4.下痢が原因となることはまれである。
誤りです。
下痢では、水分と電解質が便とともに失われます。高齢者は体内水分量が少ないため、下痢や嘔吐が続くと短期間でも脱水が進行する可能性があります。
5.体重が減ることがある。
正しいです。
脱水では体液が失われるため、体重が減少することがあります。普段の体重からの急な減少は、脱水を疑う手がかりになります。
覚えるポイント
- 高齢者は、若年者より体内水分量が少ない。
- 高齢者では口渇感が低下し、喉の渇きを自覚しにくい。
- 腎臓の尿濃縮力も低下し、水分を保持しにくくなる。
- 発熱、発汗、下痢、嘔吐、利尿薬、摂取不足などが脱水の原因になる。
- 脱水では、体重減少、尿量減少、血圧低下、ふらつき、意識状態の変化などがみられる。
- 「喉が渇いていない」という訴えだけで脱水を否定しない。
- 水分制限や嚥下障害がある場合は、多職種の指示に沿って水分を提供する。