35Q37|第35回 介護福祉士国家試験 過去問
老年期の変形性膝関節症(knee osteoarthritis)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 2
正答
2.女性のほうが男性より罹患率{りかんりつ}が高い。
この問題のポイント
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることなどによって、痛み、腫れ、関節可動域の制限、脚の変形などが生じる疾患です。
高齢になるほど多くなり、男性より女性に多くみられます。日本整形外科学会は、男女比をおよそ1対4としています。
解説
変形性膝関節症では、加齢に伴う関節軟骨の変性に加えて、肥満、女性であること、膝関節の外傷歴、膝に負担をかける活動などが発症や進行のリスク因子になります。
日本では、膝の内側の関節軟骨がすり減って内反変形、いわゆるO脚を伴う例が多くみられます。外反変形であるX脚が絶対に起こらないわけではありませんが、「外反型を伴うことが多い」という説明は適切ではありません。
保存的な支援では、本人の状態に合わせた運動療法、大腿四頭筋の筋力訓練、関節可動域訓練、体重管理、装具や歩行補助具の利用、生活動作の調整などを行います。運動療法は有用ですが、「階段を積極的に使う」など、痛みや機能を評価せずに膝へ大きな負荷をかける方法を勧めるものではありません。
患部を温めるか冷やすかは、症状や医療職の判断によって異なります。慢性的な痛みやこわばりには温熱が用いられることがありますが、運動後に急な腫れや熱感がある場合には冷却が指示されることもあります。そのため、常に積極的な冷却を勧める説明は不適切です。
ひっかけポイント
「運動療法が有用」という知識から、階段を積極的に使う選択肢を選ばないようにします。運動は、膝への負担が少なく、本人の疼痛や身体機能に合った内容で行うことが重要です。
介護実践でのポイント
介護福祉職は、立ち上がりや歩き始めの痛み、腫れ、熱感、歩容、階段や正座の困難、活動量の変化を観察します。医師やリハビリテーション職の指示を確認し、椅子や洋式トイレの利用、手すり、歩行補助具、履物などを調整して、安全に活動を続けられるよう支援します。
選択肢の確認
1.外反型の脚の変形を伴うことが多い。
誤りです。
日本の変形性膝関節症では、膝の内側に負担が集中し、内反変形であるO脚を伴う例が多くみられます。外反変形はX脚に相当し、代表的な変形とはいえません。
2.女性のほうが男性より罹患率{りかんりつ}が高い。
正しいです。
変形性膝関節症は男性より女性に多くみられます。女性、高齢、肥満、膝関節外傷の既往などは、発症や進行に関連するリスク因子です。
3.積極的に患部を冷やすことを勧める。
誤りです。
慢性的な膝の痛みやこわばりには、温めて血行を促す方法が用いられることがあります。急な腫れや熱感があるときに冷却を行う場合はありますが、状態を確認せずに常時積極的な冷却を勧めるのは適切ではありません。
4.正座の生活習慣を勧める。
誤りです。
正座では膝を深く曲げるため、疼痛が強くなったり膝への負担が増えたりする可能性があります。椅子や洋式トイレなどを利用し、深い膝屈曲を減らす工夫が適切です。
5.肥満のある人には積極的に階段を利用するように勧める。
誤りです。
体重管理や運動療法は大切ですが、階段昇降は膝への負担が大きく、疼痛や転倒の危険を高める場合があります。医師やリハビリテーション職と連携し、平地歩行や適切な筋力訓練など、本人に合った方法を検討します。
覚えるポイント
- 変形性膝関節症は、男性より女性に多い。
- 高齢、女性、肥満、膝関節外傷の既往などがリスク因子になる。
- 日本では、内反変形であるO脚を伴う例が多い。
- 正座や階段昇降は、膝への負担を大きくする場合がある。
- 運動療法は有用だが、痛みや身体機能に合わせて行う。
- 肥満がある場合は、無理な運動ではなく体重管理を含む包括的な支援を行う。
- 温熱と冷却は症状に応じて使い分け、介護福祉職が一律に判断しない。