44PM40|第44回 第2種ME技術実力検定試験 過去問
膜型人工肺に用いる中空糸膜の素材で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、膜型人工肺に用いられる中空糸膜の素材と構造が問われています。
膜型人工肺では、血液とガスを膜で隔て、酸素と二酸化炭素を交換します。
中空糸膜には、多孔質膜、均質膜、複合膜などの考え方があります。
複合膜は、多孔質膜に比べて血漿漏出が起こりにくいことが特徴です。
解説
膜型人工肺では、血液が中空糸の外側または内側を流れ、酸素や二酸化炭素が膜を介して移動します。
ポリプロピレン膜は、人工肺で広く用いられてきた多孔質膜です。疎水性であり、膜に小さな孔をもつため、ガス交換効率に優れます。ただし、長時間使用では血漿成分が孔を通って漏れ出す血漿漏出が問題になることがあります。
シリコーン膜は均質膜として扱われます。血漿漏出は起こりにくい一方、膜をガスが溶解・拡散して通過するため、一般に膜を薄くしにくく、ガス交換効率の面では多孔質膜と特徴が異なります。
複合膜は、多孔質支持層に緻密層などを組み合わせた構造をもちます。多孔質膜のガス交換性能を活かしながら、血漿漏出を起こしにくくする目的で用いられます。
したがって、複合膜は多孔質膜より血漿漏出が生じにくい、という5が正しいです。
ひっかけポイント
ポリプロピレン膜は多孔質で疎水性です。均質膜や親水性とする記述は誤りです。
シリコーン膜は均質膜として整理し、緻密層と多孔質層をもつのは複合膜として考えます。
選択肢の確認
1.ポリプロピレン膜は均質膜である。
誤り。
ポリプロピレン膜は、多孔質膜として用いられます。均質膜として扱うのは主にシリコーン膜です。
2.ポリプロピレン膜は親水性である。
誤り。
ポリプロピレン膜は疎水性です。疎水性多孔質膜としてガス交換に用いられます。
3.シリコーン膜は緻密層と多孔質層を持つ。
誤り。
シリコーン膜は均質膜として扱われます。緻密層と多孔質層を組み合わせた構造は、複合膜の特徴として整理します。
4.シリコーン膜の膜厚はポリプロピレン膜より薄い。
誤り。
シリコーン膜は均質膜であり、ガス透過のために一定の膜厚が必要です。一般に、多孔質ポリプロピレン膜より薄いとはいえません。
5.複合膜は多孔質膜より血漿漏出が生じにくい。
正しい。
複合膜は、多孔質支持層に緻密層などを組み合わせた構造をもち、血漿漏出を抑えやすい特徴があります。長時間使用の人工肺で重要です。
覚えるポイント
- ポリプロピレン膜は疎水性多孔質膜です。
- 多孔質膜では長時間使用で血漿漏出が問題になることがあります。
- シリコーン膜は均質膜として整理します。
- 複合膜は、ガス交換性能と血漿漏出抑制を両立しやすい膜です。
- 複合膜は多孔質膜より血漿漏出が生じにくいです。