114PM027|第114回 看護師国家試験 過去問
A 君(15 歳、男子)は、蒸し暑い夏の午後に行われたサッカーの試合に出ていた。 A 君は試合中に大量の汗をかいて、気分が悪くなったので多量の水道水を飲み、 日陰で休んでいたが、突然、意識消失して倒れた。このときのA 君の細胞外液の ナトリウムイオン濃度と水分量の正常時に対する割合を図に示す。 このときのA 君の体液の状態で正しいのはどれか。

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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
発汗後に水だけを多量に補給した際、細胞外液のナトリウム濃度が低下し、血漿浸透圧が低下する。その結果、水が細胞内へ移動し、細胞外液量が減少する。特に循環血液量の減少が意識消失の直接的な原因となる。
解説
A君は試合中に大量の汗をかき、その際にNa⁺と水が同時に失われたが、補給したのは水道水のみであった。このため、細胞外液中のNa⁺濃度は水分量の減少よりも顕著に低下した。これは低張性脱水(低ナトリウム血症)を示す。血漿浸透圧が低下するため、水が細胞内へ移動し、細胞内液は増加する。その結果、細胞外液全体、特に循環血液量は減少し、低血圧や意識消失が起こる。この状態は「水中毒」とも呼ばれるが、脳浮腫を引き起こす危険性がある。
選択肢の確認
1.細胞内液は減少している。:誤。血漿浸透圧が低下するため、水は細胞内へ移動し、細胞内液は増加する。
2.血漿浸透圧は上昇している。:誤。Na⁺濃度の低下により血漿浸透圧は低下している。
3.循環血液量は減少している。:正。細胞外液の減少と水の細胞内移動により、循環血液量が減少する。
4.ヘマトクリットは低下している。:誤。赤血球数は変化せず、血漿量の減少によりヘマトクリットは上昇する。
覚えるポイント
「発汗後に水だけを補給すると、循環血液量が減少し、意識消失につながる。細胞内液は増加し、血漿浸透圧は低下する。」この3つの要素をセットで覚えると、体液の変化を的確に把握できる。