78PM73|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
X 線管での制動X 線の発生で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 5
正答
5.発生強度はターゲットの原子番号に比例する。
この問題のポイント
X線管で発生する制動X線について、管電圧、管電流、ターゲット原子番号との関係を整理する問題です。
制動X線は、高速電子がターゲット原子核の近くを通過するときに減速され、その失ったエネルギーがX線として放出されることで発生します。
重要な関係は次の通りです。
- 最短波長は管電圧に反比例する
- X線強度は管電流に比例する
- X線強度は管電圧のおよそ2乗に比例する
- 制動X線の発生強度はターゲットの原子番号に比例する
- X線管でX線になるエネルギーは少なく、多くは熱になる
したがって、正しい選択肢は
5.発生強度はターゲットの原子番号に比例する。
です。
解説
制動X線の発生では、ターゲットに入射した電子が原子核の電場で減速されます。
このとき、電子が失った運動エネルギーがX線として放出されます。
ターゲットの原子番号が大きいほど、原子核の電場の影響が強くなり、電子が強く減速されやすくなります。
そのため、制動X線の発生強度はターゲットの原子番号Zに比例して大きくなります。
また、X線管では管電圧を上げると電子の加速エネルギーが大きくなります。
その結果、発生するX線の最大エネルギーは高くなり、最短波長は短くなります。
最短波長は、
λmin = hc / eV
で表されるため、管電圧Vに反比例します。
選択肢の確認
1.最短波長は管電圧に比例する。
誤りです。
最短波長は管電圧に反比例します。
管電圧が高いほど、発生し得るX線の最大エネルギーは大きくなり、波長は短くなります。
したがって「比例する」は誤りです。
2.発生効率は管電流に比例する。
誤りです。
管電流を増やすと、ターゲットに衝突する電子数が増えるため、X線量は増加します。
しかし、発生効率は「入射電子のエネルギーのうち、どれだけがX線に変換されたか」を表す割合です。
発生効率は主にターゲット原子番号Zと管電圧に依存し、管電流に比例するわけではありません。
3.X線強度は管電流の2乗に比例する。
誤りです。
X線強度は、管電流にほぼ比例します。
管電流は単位時間あたりにターゲットへ到達する電子数を表すため、管電流を2倍にするとX線量もおおよそ2倍になります。
2乗に比例するわけではありません。
4.X線管装置の発生効率は約10%である。
誤りです。
診断用X線管では、電子のエネルギーの大部分は熱になります。
X線として放出される割合は非常に小さく、一般に1%程度以下です。
約10%という値は大きすぎます。
5.発生強度はターゲットの原子番号に比例する。
正しいです。
制動X線の発生強度は、ターゲットの原子番号Zに依存します。
原子番号が大きいほど電子が原子核の電場で減速されやすくなり、制動X線の発生が増えます。
そのため、この記述が正答です。
覚えるポイント
制動X線の関係式は、次のように整理します。
- 最短波長:管電圧に反比例
- 最大エネルギー:管電圧に比例
- X線量:管電流に比例
- X線強度:管電圧のおよそ2乗に比例
- 制動X線発生強度:ターゲット原子番号Zに比例
- 発生効率:おおよそZと管電圧に依存し、管電流には比例しない
この問題では、制動X線の発生強度とターゲット原子番号の関係を問うているため、正しい選択肢は
5.発生強度はターゲットの原子番号に比例する。
です。