78PM72|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
各種放射線における水中での深部量百分率の模式図を示す。 正しい組合せはどれか。

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正解: 5
正答
5.オ 炭素線
この問題のポイント
図は、水中での各種放射線の深部量百分率を示しています。
縦軸は相対線量、横軸は深さです。
放射線の種類によって、深さ方向の線量分布は大きく異なります。
この問題では、図中のア〜オの曲線が、どの放射線に対応するかを読み取ります。
特に注目するのは、深部で急に線量が高くなる ブラッグピーク です。
炭素線は、陽子線と同じように深部でブラッグピークを作りますが、ピークが鋭く、ピーク後も核破砕片によるわずかな線量の尾を引くことがあります。
図では、この特徴に合うのが オ です。
したがって、正しい組合せは
5.オ 炭素線
です。
図の見方
図では、深さに対する相対線量が5種類の曲線で示されています。
ア
表面付近では線量が低めで、少し深いところで最大となり、その後ゆるやかに減少しています。
これは高エネルギーX線の特徴です。
高エネルギーX線では、表面直下で二次電子の影響により線量が増加する ビルドアップ があり、その後、深部へ行くほど線量が徐々に減少します。
ウ
浅いところで最大線量を示したあと、ある深さで急激に線量が低下し、ほぼ0になります。
これは電子線の特徴です。
電子線は飛程が限られているため、一定の深さを超えると急に線量が落ちます。
表在性病変の治療に使われる理由もここにあります。
エ
深部に向かって線量が少しずつ増加し、ある深さで大きなピークを作ったあと、急激に低下しています。
これは陽子線のブラッグピークに相当します。
陽子線は、体表付近の線量を比較的抑えながら、標的深部で線量を集中させることができます。
オ
深部まで比較的低い線量で進み、標的深度付近で非常に鋭いピークを作っています。
ピーク後は急激に低下しますが、わずかな線量の尾を引いています。
これは炭素線の特徴です。
炭素線は重粒子線であり、鋭いブラッグピークを形成します。
また、陽子線よりも線エネルギー付与が大きく、生物学的効果が高いことも特徴です。
イ
表面付近から比較的高い線量を示し、深さとともにゆるやかに低下しています。
これは中性子線のような、明瞭なブラッグピークを示さず減弱していく線量分布として考えます。
なぜオが炭素線なのか
炭素線は、重粒子線の一種です。
重粒子線では、粒子が止まる直前にエネルギー付与が大きくなり、深部で線量が急上昇します。
このピークを ブラッグピーク といいます。
炭素線の特徴は次の通りです。
- 深部に鋭いブラッグピークを作る
- 体表からピークまでの線量は比較的低い
- ピーク後は急激に線量が低下する
- 核破砕片により、ピーク後にわずかな線量の尾が出ることがある
- 陽子線よりLETが高く、生物学的効果が大きい
図中のオは、深さ約15 cm付近で鋭いピークを示し、その後急激に低下しています。
さらにピーク後にわずかな尾がみられるため、炭素線の特徴に合います。
選択肢の確認
1.ア 電子線
誤りです。
アは表面から少し深いところで最大となり、その後ゆるやかに減少しています。
これは高エネルギーX線のような線量分布です。
電子線なら、ある深さで急激に線量が落ちるウのような曲線になります。
2.イ 陽子線
誤りです。
陽子線は深部にブラッグピークを作ります。
イは深部で鋭いピークを示しておらず、深さとともにゆるやかに減少しています。
陽子線としては不適切です。
3.ウ X線
誤りです。
ウは浅いところで線量が高く、その後急激に低下してほぼ0になります。
これは飛程をもつ電子線の特徴です。
X線ならアのようにビルドアップ後、深部へ向かって徐々に減少します。
4.エ 中性子線
誤りです。
エは深部でブラッグピークを示す曲線です。
このような線量集中は陽子線にみられる特徴であり、中性子線の代表的な深部量百分率ではありません。
5.オ 炭素線
正しいです。
オは深部で鋭いブラッグピークを形成し、ピーク後に急激な線量低下を示します。
これは炭素線の特徴に一致します。
したがって、正しい組合せです。
覚えるポイント
深部量百分率は、放射線ごとの形で覚えると判断しやすくなります。
- X線:ビルドアップ後、深部へ向かってゆるやかに減少
- 電子線:浅い深さで高線量、その後急激に低下
- 陽子線:深部にブラッグピーク
- 炭素線:より鋭いブラッグピーク、ピーク後にわずかな尾を引くことがある
- 中性子線:明瞭なブラッグピークを示さず、深さとともに減弱
この図では、オが炭素線の深部量百分率に対応します。
したがって、正しい選択肢は
5.オ 炭素線
です。
