76AM35|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
放射線治療で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
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正解: 2・5
正答
2、5
この問題のポイント
この問題では、放射線治療計画で重要な 標的体積、リスク臓器の性質、マージン、DVH の基本が問われています。
「2 つ選べ。」なので、正しい選択肢は 2 と 5 です。
特に重要な用語は次の通りです。
- GTV:肉眼的腫瘍体積
- CTV:臨床標的体積
- PTV:計画標的体積
- DVH:線量体積ヒストグラム
- Dmax:最大線量
解説
放射線治療では、腫瘍や照射すべき範囲をいくつかの体積概念に分けて定義します。
**GTV〈gross tumor volume〉**は、画像診断や視診、触診などで明らかに存在すると判断できる肉眼的腫瘍の体積です。
術後予防照射では、手術によって肉眼的な腫瘍は切除されています。そのため、明確な腫瘤としての GTV は定義できないことがあります。この場合は、術前画像、手術所見、病理所見などをもとに、再発リスクのある範囲を CTV として設定します。
**PTV〈planning target volume〉**は、CTV に対して、患者セットアップ誤差や体内臓器移動などの不確かさを考慮して設定する体積です。
また、DVH〈dose volume histogram〉は、標的や臓器がどの線量をどれだけの体積で受けているかを示すグラフです。Dmax は、その対象が受ける最大線量を表します。
ひっかけポイント
PTV は「計画用の余裕を加えた体積」です。
体内の動きやセットアップ誤差を無視しているわけではありません。
選択肢の確認
1.誤り。
腎臓は一般に 並列臓器として扱われます。腎機能は多くの機能単位の総和として保たれるため、平均線量や被ばく体積が重要です。直列臓器の代表は脊髄などです。
2.正しい。
術後予防照射では、肉眼的腫瘍が手術で切除されているため、GTV を定義できないことがあります。再発リスク領域を CTV として設定します。
3.誤り。
PTV は、CTV に対してセットアップ誤差や体内の動きなどを考慮して設定されます。照射中の体内の動きが考慮されていないという記述は誤りです。
4.誤り。
セットアップマージンは、リニアック装置だけで決まるものではありません。固定具、照合方法、治療部位、患者の再現性、施設の精度管理、IGRT の有無などで変わります。
5.正しい。
DVH における Dmax は、その標的体積またはリスク臓器が受ける最大線量を表します。線量制約の確認に重要な指標です。
覚えるポイント
- GTVは画像などで確認できる肉眼的腫瘍です。
- 術後予防照射では、GTV を定義できないことがあります。
- CTVは顕微鏡的進展や再発リスクを含めた臨床標的です。
- PTVはセットアップ誤差や体内移動を考慮した計画標的です。
- Dmaxは最大線量、DVHは線量と体積の関係を示します。