78PM64|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
核磁気共鳴で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3.Larmor〈ラーモア〉周波数は外部磁場の強さに比例する。
この問題のポイント
核磁気共鳴、つまりNMRの基本原理を問う問題です。
MRIでは、水素原子核、つまりプロトンの核スピンを利用します。
外部磁場中に置かれた核スピンは、ラーモア周波数で歳差運動をします。
このラーモア周波数は、外部磁場が強いほど高くなります。
式で表すと、
ω0 = γB0
です。
- ω0:ラーモア角周波数
- γ:磁気回転比
- B0:外部磁場強度
したがって、ラーモア周波数は外部磁場の強さに比例します。
解説
核磁気共鳴では、磁場中に置かれた核スピンが特定の周波数の電磁波に共鳴します。
MRIでは、この共鳴を起こすために RFパルス、つまりラジオ波を使用します。
マイクロ波ではありません。
また、水素原子核はスピン量子数が1/2なので、外部磁場中では2つのエネルギー準位に分かれます。
低エネルギー準位と高エネルギー準位の差に対応する周波数が、ラーモア周波数です。
外部磁場B0が強くなると、2つのエネルギー準位の差が大きくなります。
そのため、共鳴に必要な周波数も高くなります。
これが「ラーモア周波数は外部磁場の強さに比例する」という意味です。
選択肢の確認
1.T1緩和時間はT2緩和時間よりも短い。
誤りです。
一般に、T2緩和時間はT1緩和時間より短い、または同程度です。
T1は縦緩和、T2は横緩和を表し、T2はスピン間相互作用などによる位相の乱れを反映します。
したがって、T1がT2より短いという記述は不適切です。
2.核スピンの励起にはマイクロ波を使用する。
誤りです。
MRIで核スピンを励起するのはRFパルス、つまりラジオ波です。
マイクロ波は主に電子スピン共鳴などで関係するもので、核磁気共鳴の基本的な励起には用いません。
3.Larmor〈ラーモア〉周波数は外部磁場の強さに比例する。
正しいです。
ラーモア周波数は外部磁場B0に比例します。
式では、ω0 = γB0 と表されます。
MRIでは、磁場強度が高くなるほど共鳴周波数も高くなります。
これが本問の正答です。
4.陽子と中性子の両方が偶数個の原子核が観測対象である。
誤りです。
陽子数と中性子数がともに偶数の原子核は、核スピンが0になることが多く、NMRの観測対象にはなりにくいです。
NMRでは、核スピンが0でない原子核が観測対象になります。
代表は水素原子核です。
5.外部磁場中におかれた水素原子の核スピンは4つのエネルギー準位に分かれる。
誤りです。
水素原子核のスピン量子数は1/2です。
外部磁場中では、低エネルギー準位と高エネルギー準位の2つに分かれます。
4つではありません。
覚えるポイント
核磁気共鳴では、次の基本を押さえます。
- MRIで主に見るのは水素原子核
- 核スピンの励起にはRFパルスを使う
- ラーモア周波数は外部磁場強度に比例する
- 式は ω0 = γB0
- 水素原子核は外部磁場中で2つのエネルギー準位に分かれる
- 陽子数・中性子数がともに偶数の核は、核スピン0になりやすくNMR対象になりにくい
- 一般にT2はT1より短い
この問題では、ラーモア周波数と外部磁場強度の関係を問うているため、正しい選択肢は
3.Larmor〈ラーモア〉周波数は外部磁場の強さに比例する。
です。