78AM72|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
GM 計数管の出力電圧と時間の関係を図に示す。 図の説明で正しいのはどれか。

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正解: 5
正答
5.波高弁別レベルを超えたパルスの数を計数する。
図の見方
提示図は、GM計数管で放射線が入射した後の出力電圧の変化を示しています。
GM計数管では、1個の放射線が入射すると、管内で大きなガス増幅が起こり、ほぼ一定の大きさのパルスが発生します。
ただし、1回放電が起こった直後は、管内に陽イオンが残るため、すぐには正常な大きさのパルスを出せません。
そのため、時間経過に伴って、
- まったく計数できない時間
- 小さいパルスしか出ない時間
- 正常なパルスに戻るまでの時間
が生じます。
図の横線で示されている「波高弁別レベル」は、これ以上の高さのパルスだけを計数するためのしきい値です。
なぜ5が正しいか
GM計数管では、出力されたすべての小さな変動を数えるのではなく、波高弁別レベルを超えたパルスだけを1個の計数として扱います。
波高弁別レベルより小さいパルスは、雑音や不十分なパルスとして除外されます。
したがって、図の説明として正しいのは、
「波高弁別レベルを超えたパルスの数を計数する」
です。
AとBの意味
図のAは、最初のパルス後、次のパルスが波高弁別レベルを超えて計数可能になるまでの時間を示しています。
これは分解時間に相当します。
図のBは、最初のパルス後、GM計数管がほぼ正常なパルス波高を回復するまでの時間を示しています。
これは回復時間に相当します。
したがって、「Bは分解時間である」という選択肢1は誤りです。
他の選択肢との区別
1.B は分解時間である。
誤りです。
Bは正常なパルス波高に戻るまでの回復時間を示しています。
分解時間は、次のパルスが波高弁別レベルを超えて計数できるようになるまでの時間で、図ではAに相当します。
2.A が短いほど数え落としが多くなる。
誤りです。
Aが短いほど、次の放射線を早く計数できるようになります。
そのため、数え落としは少なくなります。
数え落としが多くなるのは、分解時間や不感時間が長い場合です。
3.図からβ線のエネルギーを取得できる。
誤りです。
GM計数管では、放射線が入射すると放電が飽和的に起こるため、パルスの高さは入射放射線のエネルギーに比例しません。
したがって、β線のエネルギー測定には適していません。
4.出力電圧の高さは放射能の強さに比例する。
誤りです。
GM計数管のパルス波高はほぼ一定であり、放射能の強さに比例するのは主に計数率です。
放射能が強いほど単位時間あたりのパルス数は増えますが、1つ1つのパルスの高さが比例して大きくなるわけではありません。
5.波高弁別レベルを超えたパルスの数を計数する。
正しいです。
GM計数管では、波高弁別レベルを超えたパルスを計数し、放射線の入射数を評価します。
覚えるポイント
GM計数管では、次の特徴を押さえます。
- パルス波高は放射線エネルギーに比例しない
- エネルギー測定には不向き
- 放射能の強さはパルス数、つまり計数率として評価する
- 波高弁別レベルを超えたパルスを計数する
- 不感時間や分解時間があるため、高計数率では数え落としが起こる
本問では、GM計数管の計数の基本である「波高弁別レベルを超えたパルスの数を計数する」が正答です。
