78AM28|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
水ファントム中の深さ方向における 10 MV X 線の等線量曲線を別に示す。図の等線量曲線はどれか。

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正解: 3
正答
3.15 MeV 電子線
画像の見方
提示図は、水ファントム中での等線量曲線を示しています。
左側のカラーバーは相対線量を表し、赤い領域ほど高線量、青い領域ほど低線量です。
図にはAとBの線量分布が示されています。
Aは深部方向へ比較的広く線量が分布しており、高エネルギーX線のように深部まで線量が届く形です。
一方、Bは浅い深さに高線量域が集中し、ある深さを過ぎると線量が急激に低下しています。
これは電子線の等線量曲線に特徴的な形です。
なぜ15 MeV電子線か
電子線は、X線やγ線と異なり、体内での飛程が限られています。
そのため電子線の線量分布では、
- 表面近くから比較的高い線量を示す
- ある深さまでは治療に有効な線量が得られる
- 一定の深さを超えると線量が急激に低下する
- 深部臓器への線量を抑えやすい
という特徴があります。
提示図のBでは、高線量域が浅部に限局しており、深部側で急に線量が落ちています。
これは「有限の飛程をもつ電子線」の典型的な分布です。
15 MeV電子線は、数cm程度の深さまで治療に有効な線量を与え、その奥では線量が急激に減少します。
したがって、図の等線量曲線は15 MeV電子線に一致します。
他の選択肢との区別
1.60Coγ線
誤りです。
60Coγ線は光子線であり、深部まで線量が連続的に届きます。
電子線のように、ある深さで急激に線量が消失する分布にはなりません。
2.4 MV X線
誤りです。
4 MV X線も光子線です。
体表近くでビルドアップした後、深さとともに徐々に線量が減少します。
図Bのような浅部限局性と急激な遠位線量低下は、X線より電子線に合います。
3.15 MeV電子線
正しいです。
電子線は有限の飛程をもち、浅部病変の治療に向いています。
図Bのように浅い領域に高線量が集中し、深部で急激に線量が低下する分布を示します。
4.250 MeV炭素線
誤りです。
炭素線は重粒子線で、飛程終端付近にBraggピークを作ります。
高線量域は深部の標的に集中し、電子線のような浅部中心の分布とは異なります。
5.250 MeV陽子線
誤りです。
陽子線もBraggピークを示し、深部の一定位置に高線量を集中させる粒子線です。
図Bのような電子線特有の浅部高線量・急激な深部減衰とは異なります。
覚えるポイント
等線量曲線は、放射線の種類ごとの深部線量分布で見分けます。
- X線・γ線:深部まで届き、線量は徐々に減少する
- 電子線:浅部に高線量、一定深さで急激に低下する
- 陽子線・炭素線:Braggピークにより深部の標的に線量を集中する
本問では、図Bのように浅部に高線量域があり、深部で急激に線量が低下しているため、15 MeV電子線が正答です。
