78AM1|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
MRI 装置の生データと画像信号で正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4.画像信号はフーリエ変換後の虚数成分と実数成分の両方を用いて表される。
問題のポイント
MRIでは、撮像中に得られる信号はそのまま画像として保存されるわけではありません。
まず、受信コイルで得られた生データは k-空間 に配置されます。
その後、k-空間データをフーリエ変換することで画像が作られます。
MRIの信号は、実数成分と虚数成分をもつ複素信号として扱われる点が重要です。
なぜ4が正しいか
MRIで得られる生データは、位相情報を含む複素データです。
複素データは、
- 実数成分
- 虚数成分
の両方を持ちます。
k-空間に収められた生データをフーリエ変換すると、画像空間の信号になります。
このフーリエ変換後の画像信号も、基本的には実数成分と虚数成分をもつ複素画像として得られます。
実際に表示されるMRI画像では、これらの成分から絶対値画像を作ることが多く、
信号強度 = √(実数成分² + 虚数成分²)
として表されます。
したがって、画像信号はフーリエ変換後の虚数成分と実数成分の両方を用いて表される、という4が正しいです。
他の選択肢との区別
1.k-空間には生データの虚数成分だけが収められる。
誤りです。
k-空間には、MRIで収集された複素信号が収められます。虚数成分だけではなく、実数成分と虚数成分の両方を含みます。
2.空気の信号は0、水の信号は1000近傍に分布する。
誤りです。
これはCT値の説明です。CTでは水が0 HU、空気が約−1000 HUです。
MRIの信号値は装置条件や撮像条件によって変化する相対値であり、水が1000近傍に固定されるわけではありません。
3.生データをフーリエ変換した後の画像信号はk-空間に保管される。
誤りです。
k-空間に保存されるのはフーリエ変換前の生データです。
フーリエ変換後は画像空間のデータになります。
4.画像信号はフーリエ変換後の虚数成分と実数成分の両方を用いて表される。
正しいです。
MRIの画像信号は複素信号として得られ、実数成分と虚数成分の両方が関係します。
5.水は生体内で最も存在比が大きいため、画像の中で最も高い信号値となる。
誤りです。
MRI信号は水の量だけで決まるわけではありません。
T1値、T2値、プロトン密度、TR、TE、撮像シーケンスなどによって信号強度は大きく変わります。
例えば、T1強調像では脂肪が高信号になりやすく、FLAIRでは脳脊髄液のような水成分が抑制されます。
覚えるポイント
MRIでは、
- 生データはk-空間に入る
- k-空間データをフーリエ変換すると画像になる
- MRI信号は実数成分と虚数成分をもつ複素信号である
- 表示画像では実数成分と虚数成分から絶対値画像を作ることが多い
と整理します。
本問では、MRI画像信号がフーリエ変換後の実数成分と虚数成分の両方を用いて表されるため、正答は4です。