77PM29|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
直線加速器で平坦な線量プロファイルを期待して測定したところ、図のような 線量プロファイルが得られた。 考えられる原因はどれか。

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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
図では、平坦な線量プロファイルを期待しているにもかかわらず、実測された線量プロファイルが左右非対称に傾いた形になっています。
このような片側性の線量低下・線量勾配は、ビーム内に意図しない吸収体や構造物が入り、X 線が部分的に減弱された場合に起こります。
解説
直線加速器の高エネルギー X 線では、通常、平坦化フィルタによって照射野内の線量分布ができるだけ平坦になるように調整されています。
図では、平坦化フィルタとコリメータを通過した X 線に対して、照射野内の線量プロファイルが示されています。本来は照射野中央付近でほぼ平坦なプロファイルが得られるはずです。
しかし、実線で示された線量プロファイルは、片側から反対側に向かってなだらかに上昇しており、左右対称ではありません。
これは、コリメータより下流側、つまり照射野に近い位置に意図しない構造物が入り込んで、ビームの一部を吸収・減弱した場合に生じる形です。
例えば、くさび状の吸収体、アクセサリ、トレイ、器具、または照射野内へ入り込んだ構造物があると、片側の線量が多く減弱され、反対側との間に線量勾配ができます。
画像でまず見るポイント
線量プロファイルが全体に低いのか、左右対称に変形しているのか、片側性に傾いているのかを見ます。
この図では片側性の傾きがあるため、ビーム内の一部に吸収体が入った状況を考えます。
ひっかけポイント
平坦化フィルタの問題であれば、通常は中心軸を基準にした左右対称の過補正・補正不足として現れやすいです。
この図のような左右非対称の傾きは、平坦化フィルタそのものよりも、照射野内に入り込んだ構造物を疑います。
選択肢の確認
1.誤り。
X 線出力が不足していた場合は、線量プロファイル全体が低下します。しかし、左右で傾いたような非対称のプロファイルになるとは限りません。図のような片側性の線量勾配の原因としては不適切です。
2.誤り。
コリメータが非対称に開口していた場合は、照射野の位置や幅、中心軸に対する開口の偏りが問題になります。照射野端の位置は変化しますが、照射野内の線量がくさび状に傾く主原因とは考えにくいです。
3.正しい。
コリメータの下に意図しない構造物が入ると、X 線が部分的に吸収され、照射野内に片側性の線量低下が生じます。その結果、図のように平坦ではなく傾いた線量プロファイルになります。
4.誤り。
平坦化フィルタは、基本的に X 線エネルギーに応じて設計されます。照射野サイズごとに平坦化フィルタを交換して使うという考え方は一般的ではありません。また、図のような左右非対称の線量勾配の説明としても不適切です。
5.誤り。
X 線のエネルギーに対応しない平坦化フィルタを使用した場合、線量プロファイルの平坦性は崩れますが、通常は中心軸を基準に比較的左右対称な過平坦化または不足補正として現れます。図のような片側性の傾きとは合いません。
覚えるポイント
- 平坦な線量プロファイルが得られない原因は、対称性を見ると判断しやすいです。
- 出力不足では、線量全体が低下します。
- 平坦化フィルタの不一致では、左右対称性を保ったまま平坦性が崩れやすいです。
- 照射野内の吸収体や構造物では、片側性の線量低下や傾いたプロファイルが生じます。
- 図のようなくさび状の線量勾配では、コリメータ下の意図しない構造物を考えます。
