77PM27第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

放射線治療技術学吸収線量の評価外部光子線の線量計算

放射線治療に用いられる X 線計測で正しいのはどれか。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

放射線治療の X 線計測では、PDD、TMR、TPR₂₀,₁₀、kQ、最大線量深 dmax の意味を区別することが重要です。

最大線量深は主に X 線エネルギーで変化しますが、照射野サイズによる散乱線や混入電子の影響も受けます。

解説

高エネルギー X 線では、体表面で最大線量にはならず、ある深さで線量が最大になります。この深さを最大線量深 dmax といいます。

dmax は X 線エネルギーが高いほど深くなる傾向があります。さらに、照射野が大きくなると体内散乱線や混入電子の寄与が変化するため、dmax も照射野サイズの影響を受けます。

したがって、「最大線量深は照射野に依存する」とする 2 が正しいです。

用語の整理

PDD〈percentage depth dose〉 は、一定 SSD 条件で、最大線量に対する各深さの線量百分率を示します。SSD が変わると逆二乗則や散乱線寄与が変化するため、PDD も変化します。

TPR₂₀,₁₀ は、深さ 20 cm と 10 cm の組織ファントム線量比で、光子線の線質指標として用いられます。

TMR〈tissue maximum ratio〉 は、同じ照射条件で、ある深さの線量を最大線量深での線量で割った比です。

kQ は、線質 Q に対する線質変換係数であり、エネルギーそのものに単純比例する係数ではありません。

ひっかけポイント
「エネルギーが高いほど dmax が深くなる」は基本ですが、dmax は照射野にも影響されます。
「主にエネルギーで決まる」ことと「照射野に依存しない」ことは同じではありません。

選択肢の確認

1.誤り。
PDD は SSD に依存します。SSD が変わると、深さによる距離変化の影響や散乱線の寄与が変わるため、同じ深さでも PDD は変化します。

2.正しい。
最大線量深 dmax は主に X 線エネルギーに依存しますが、照射野サイズによって散乱線や混入電子の寄与が変化するため、照射野にも依存します。

3.誤り。
kQ は線質変換係数であり、線質指標や電離箱の種類に基づいて決まります。エネルギーの大きさに単純比例するものではありません。

4.誤り。
TPR₂₀,₁₀ は線質指標として、標準化された条件で測定されます。電離箱線量計の実効中心で測定するとする記述は不適切です。一般に電離箱の基準点、すなわち幾何学的中心を基準に扱います。

5.誤り。
TMR のような深部線量分布に関わる相対線量測定では、線量勾配の影響を考慮して電離箱の実効中心を基準に扱います。幾何学的中心で行われるとする記述は不適切です。

覚えるポイント

  • PDD は SSD に依存します。
  • dmax は主にエネルギーに依存し、照射野サイズの影響も受けます。
  • TPR₂₀,₁₀ は光子線の線質指標です。
  • kQ は線質変換係数であり、エネルギーに単純比例しません。
  • 電離箱測定では、幾何学的中心実効中心を測定目的によって使い分けます。

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