77AM68|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
エネルギーフルエンスが一様な γ 線場において指頭形電離箱で電離電流を測定するとき、測定値で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2
この問題のポイント
この問題では、γ 線場で指頭形電離箱を用いて電離電流を測定するとき、測定値が何に依存するかを考えます。
電離箱では、空洞内の気体が放射線によって電離され、生成した電荷を電流として測定します。
電離によって発生する電荷量は、空洞内に存在する気体の質量に関係します。
空洞体積が一定なら、気体質量は充塡気体の密度に比例します。
したがって、測定値は 充塡気体の密度に比例します。
解説
電離箱線量計では、放射線が空洞内の気体にエネルギーを与え、イオン対を生成します。
生成したイオン対が電極に集められることで、電離電流として測定されます。
発生する電荷量は、次のような因子に関係します。
- 空洞内の気体質量
- 気体に吸収されるエネルギー
- 1 イオン対を作るのに必要な平均エネルギー W 値
- 電荷収集効率
- 温度・気圧による気体密度
一様な γ 線場で、空洞体積が同じなら、空洞内の気体密度が大きいほど気体質量が増えます。
気体質量が増えると、相互作用によって生成するイオン対も増えるため、電離電流は増加します。
したがって、測定値は充塡気体の密度に比例します。
ひっかけポイント
W 値は、1 イオン対を作るのに必要な平均エネルギーです。
W 値が大きいほど、同じ吸収エネルギーで作られるイオン対数は少なくなります。
したがって、電離電流は W 値に比例ではなく、概念的には W 値に反比例します。
温度・気圧補正との関係
電離箱では、温度や気圧によって空洞内の空気密度が変化します。
そのため、線量評価では温度気圧補正が必要です。
- 温度が高い:気体密度が低下しやすい
- 気圧が低い:気体密度が低下しやすい
- 気体密度が低い:電離量は減少しやすい
選択肢の確認
1.誤り。
空洞の体積が大きくなると、同じ密度なら気体質量が増えます。
そのため、電離量は増加しやすく、体積に反比例するわけではありません。
2.正しい。
電離箱内の気体密度が高いほど、同じ体積内に存在する気体分子数が増えます。
その結果、生成するイオン対が増え、電離電流は増加します。
したがって、測定値は充塡気体の密度に比例します。
3.誤り。
W 値は、1 イオン対を作るのに必要な平均エネルギーです。
W 値が大きいほど、同じ吸収エネルギーで生成されるイオン対数は少なくなります。
したがって、電離電流は W 値に比例しません。
4.誤り。
電離箱は、通常、飽和領域で使用します。
この領域では、印加電圧を変えても収集電荷は大きく変化しません。
印加電圧に反比例するわけではありません。
5.誤り。
指頭形電離箱では、壁から発生した二次電子や空洞理論が関係します。
しかし、測定値が単純に電離箱壁からの二次電子の飛程に比例するとはいえません。
覚えるポイント
- 電離箱は、気体の電離によって生じた電荷を測定する。
- 電離電流は、空洞内の気体質量に関係する。
- 空洞体積が一定なら、測定値は充塡気体の密度に比例する。
- W 値が大きいほど、同じ吸収エネルギーで生じるイオン対数は少ない。
- 電離箱では温度気圧補正が重要である。