76PM99|第76回 診療放射線技師国家試験 過去問
液体状⁹⁹ᵐTc および²⁰¹Tl の3 月間の最大使用予定数量がそれぞれ600 GBq と 30 GBq である施設において、3 月間の総排気量を2 × 10⁶ m³ としたとき最大排気濃度限度比の和で正しいのはどれか。 ただし、液体状⁹⁹ᵐTc および²⁰¹Tl の排気中濃度限度をそれぞれ6 × 10⁻³ Bq・cm⁻³ と3 × 10⁻³ Bq・cm⁻³、飛散率を0.001、HEPA フィルタの透過率を0.01 とする。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、非密封放射性同位元素を使用する施設での 排気中濃度限度比の和を計算します。
各核種について、
排気中濃度限度比 = 実際の排気中濃度 / 排気中濃度限度
を求め、最後に合計します。
この問題では、計算結果は 5.5 × 10⁻⁴です。
解説
まず、3 月間の総排気量を cm³ に変換します。
2 × 10⁶ m³ = 2 × 10⁶ × 10⁶ cm³
= 2 × 10¹² cm³
です。
排気へ移行する放射能は、
使用予定数量 × 飛散率 × HEPA フィルタ透過率
で求めます。
この問題では、
飛散率 = 0.001 = 10⁻³
HEPA フィルタ透過率 = 0.01 = 10⁻²
なので、
飛散率 × 透過率 = 10⁻³ × 10⁻² = 10⁻⁵
です。
1.⁹⁹ᵐTc の排気中濃度限度比
⁹⁹ᵐTc の最大使用予定数量は、
600 GBq = 600 × 10⁹ Bq
= 6.0 × 10¹¹ Bq
です。
排気へ移行する放射能は、
6.0 × 10¹¹ × 10⁻⁵
= 6.0 × 10⁶ Bq
です。
排気中濃度は、
6.0 × 10⁶ / 2 × 10¹²
= 3.0 × 10⁻⁶ Bq・cm⁻³
です。
⁹⁹ᵐTc の排気中濃度限度は、
6 × 10⁻³ Bq・cm⁻³
なので、濃度限度比は、
3.0 × 10⁻⁶ / 6 × 10⁻³
= 0.5 × 10⁻³
= 5.0 × 10⁻⁴
です。
2.²⁰¹Tl の排気中濃度限度比
²⁰¹Tl の最大使用予定数量は、
30 GBq = 30 × 10⁹ Bq
= 3.0 × 10¹⁰ Bq
です。
排気へ移行する放射能は、
3.0 × 10¹⁰ × 10⁻⁵
= 3.0 × 10⁵ Bq
です。
排気中濃度は、
3.0 × 10⁵ / 2 × 10¹²
= 1.5 × 10⁻⁷ Bq・cm⁻³
です。
²⁰¹Tl の排気中濃度限度は、
3 × 10⁻³ Bq・cm⁻³
なので、濃度限度比は、
1.5 × 10⁻⁷ / 3 × 10⁻³
= 0.5 × 10⁻⁴
= 5.0 × 10⁻⁵
です。
3.濃度限度比の和
最後に、2 核種の濃度限度比を足します。
5.0 × 10⁻⁴ + 5.0 × 10⁻⁵
= 5.5 × 10⁻⁴
したがって、正答は 5.5.5 × 10⁻⁴です。
計算の流れ
1.総排気量を cm³ に直す:2 × 10⁶ m³ = 2 × 10¹² cm³
2.排気へ移行する割合:0.001 × 0.01 = 10⁻⁵
3.各核種の排気中濃度を求める
4.濃度限度で割って濃度限度比を求める
5.2 核種分を合計する
ひっかけポイント
排気中濃度限度の単位は Bq・cm⁻³です。
総排気量が m³ で与えられているため、必ず cm³ に変換してから計算します。
選択肢の確認
1.誤り。
1.5 × 10⁻⁷ は、²⁰¹Tl の排気中濃度に相当する値に近く、濃度限度比の和ではありません。
2.誤り。
3.0 × 10⁻⁶ は、⁹⁹ᵐTc の排気中濃度に相当する値です。濃度限度で割る処理が必要です。
3.誤り。
3.2 × 10⁻⁶ は濃度限度比の和としては小さすぎます。排気中濃度と濃度限度比を混同しないようにします。
4.誤り。
5.0 × 10⁻⁵ は、²⁰¹Tl の濃度限度比です。⁹⁹ᵐTc の濃度限度比も加える必要があります。
5.正しい。
⁹⁹ᵐTc の濃度限度比は 5.0 × 10⁻⁴、²⁰¹Tl の濃度限度比は 5.0 × 10⁻⁵ です。合計すると 5.5 × 10⁻⁴ となります。
覚えるポイント
- 排気中濃度限度比は、実際の排気中濃度を濃度限度で割って求めます。
- 複数核種では、各核種の濃度限度比を合計します。
- m³ を cm³ に変換するときは、1 m³ = 10⁶ cm³です。
- 飛散率と HEPA フィルタ透過率を掛けて、排気へ移行する割合を求めます。
- この問題では、濃度限度比の和は 5.5 × 10⁻⁴です。