76PM88第76回 診療放射線技師国家試験 過去問

放射線安全管理学個人の放射線被ばく管理外部被ばく測定

IVR における術者の水晶体被ばく低減へ向けた取組みで正しいのはどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、IVR における術者の 水晶体被ばく低減個人線量管理が問われています。

IVR では、患者からの散乱線により術者の頭頸部や水晶体が比較的高く被ばくすることがあります。

そのため、術者の被ばくは全身が均等に被ばくするとは限らず、不均等被ばくとして線量管理することが重要です。

解説

IVR〈interventional radiology〉では、透視を使いながらカテーテル操作や治療手技を行います。

術者は患者の近くで作業するため、主な被ばく源は 患者からの散乱線です。

特に注意が必要なのは、次の部位です。

  • 眼の水晶体
  • 頭頸部
  • 手指
  • 防護衣の外側に出る部位

水晶体は放射線感受性があり、一定以上の被ばくにより白内障のリスクが問題になります。

IVR では、体幹部は鉛エプロンで防護されていても、眼や頸部の被ばくが相対的に高くなることがあります。

このように身体の部位ごとに被ばく線量が大きく異なる場合は、不均等被ばくとして管理します。

実務上は、防護衣内外での個人線量計装着や、水晶体用線量計、防護眼鏡、天吊り防護板、鉛カーテンなどを用いて、線量評価と低減を行います。

水晶体被ばくを低減するためには、次のような工夫が重要です。

  • 透視時間を短くする
  • パルスレートを低くする
  • 不要な拡大透視を避ける
  • 患者から距離をとる
  • アンダーテーブルチューブ方式を活用する
  • 天吊り防護板や防護眼鏡を使用する
  • 患者からの散乱線が多い側に立たないよう意識する

ひっかけポイント
水晶体被ばくを減らすには、画質を上げる方向ではなく、線量と散乱線を減らす方向で考えます。
拡大透視、高パルスレート、患者への接近は被ばく低減とは逆になりやすいです。

選択肢の確認

1.誤り。
拡大透視を使用すると、一般に装置出力が増加し、患者線量や散乱線が増えることがあります。術者の水晶体被ばく低減策としては不適切です。

2.誤り。
透視のパルスレートを高くすると、単位時間あたりの X 線照射回数が増え、患者線量や散乱線が増加しやすくなります。水晶体被ばく低減には、必要な画質を保ちながら低いパルスレートを選ぶことが重要です。

3.正しい。
IVR では術者の体幹部、頭頸部、水晶体、手指などで被ばく線量が異なります。特に水晶体被ばくを適切に評価するため、不均等被ばくとして線量管理することが重要です。

4.誤り。
オーバーテーブルチューブ方式では、X 線管が患者の上側に位置するため、術者側への散乱線が増えやすくなります。一般に術者被ばく低減にはアンダーテーブルチューブ方式の方が有利です。

5.誤り。
患者に近づくほど、患者からの散乱線による被ばくが増加します。被ばく低減には、可能な範囲で患者から距離をとることが重要です。

覚えるポイント

  • IVR の術者被ばくの主因は 患者からの散乱線です。
  • 水晶体被ばくは白内障リスクと関係します。
  • IVR では部位ごとに線量が異なるため、不均等被ばくとして管理します。
  • 水晶体防護には、防護眼鏡、天吊り防護板、適切な線量計装着が有用です。
  • 拡大透視、高パルスレート、患者への接近は術者被ばくを増やしやすいです。

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