61AM002|第61回 理学療法士国家試験 過去問
70 歳の男性。糖尿病性ニューロパチー。下腿筋の萎縮と筋力低下が著明のため Daniels らの徒手筋力テストを行ったところ、関節運動が全く生じなかったため、 段階1 の検査を図のように実施した。 対象としている筋はどれか。

解答・解説を見る
正解: 3
正答
3.短腓骨筋
この問題のポイント
糖尿病性ニューロパチーでは、末梢神経に優先的に影響が及ぶため、下腿筋の筋力低下は特に外がえし筋に見られる。関節運動が全く生じない場合、段階1(筋収縮の触知)を用いて評価を行う。この場合、足部を底屈・外がえし位に保ち、第5中足骨基部付近の腱を触知することで、短腓骨筋の収縮を確認する。
解説
段階1の検査は、関節運動が認められない場合に、筋収縮の有無を徒手で触知する方法である。設問では、患者が70歳で糖尿病性ニューロパチーを患え、下腿筋の萎縮が著明であるため、関節運動が確認できない。この状況では、外がえし(外反)に働く筋肉を評価する必要がある。
足部を底屈・外がえし位に保ち、第5中足骨基部付近の腱を触知することで、短腓骨筋の収縮を確認できる。短腓骨筋は浅腓骨神経を支配し、外がえし運動に主に関与する。糖尿病性ニューロパチーでは、末梢神経障害が強く、特に外側筋(外がえし筋)に影響が現れることが特徴である。
選択肢の確認
1.後脛骨筋:内がえし筋で、内反運動に関与。外側での触診とは一致しない。
2.前脛骨筋:背屈および内がえしに働く。外側での評価には不適。
3.短腓骨筋:正解。外がえし位で第5中足骨付近の腱を触知することで確認可能。
4.長母指屈筋:母指の屈曲に働く。足底内側を走行し、外側評価には不適。
5.ヒラメ筋:足底底屈の主筋だが、アキレス腱を介して踵骨後方で止まり、外側触診とは異なる。
覚えるポイント
糖尿病性ニューロパチーでは、**外がえし筋(短腓骨筋)**が最も早期に影響を受ける。段階1検査で「外がえし位で第5中足骨付近の腱を触知」できるかどうかが、短腓骨筋の収縮確認の鍵となる。外側筋の評価は、末梢神経障害の診断に重要である。