60AM074|第60回 理学療法士国家試験 過去問
正常歩行で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解: 2
正答
2.重心は立脚中期で最も側方へ移動する。
この問題のポイント
正常歩行における重心の移動パターンを理解することで、歩行の運動学的特性を正しく評価できる。特に、立脚相の進行中に重心が支持脚側に偏る様子は、歩行の安定性とバランス維持に重要。
解説
歩行の各相(立脚相・遊脚相)において、重心の移動は支持脚の位置に応じて変化する。立脚相の初期では重心は支持脚側に移動し、立脚中期に最も側方に偏る。この時期は、支持脚が地面に接地し、身体の安定を確保するための重要な段階である。この移動は、立脚相の後半にかけて進行し、最終的に支持脚の下に重心を集中させる。この現象は、立脚中期に最も顕著であり、臨床的にも重要な評価項目となる。
一方、他の選択肢について確認すると、立脚相の後半が「抑制期」とはならない(実際は加速期)。遊脚側の骨盤は重力によりわずかに下制されるため「上方傾斜」は誤り。歩行速度が速くなると遊脚相の比率は増加する(支持期が短縮されるため)。遊脚相で下肢が体幹の後方にある時期は「減速期」とは言わず、前方に振られて減速される「ターミナルスイング」と呼ばれる。
選択肢の確認
1.立脚相の後半は抑制期である。:錯誤。加速期である。
2.重心は立脚中期で最も側方へ移動する。:正しい。
3.前額面において遊脚側の骨盤は上方傾斜する。:錯誤。下制される。
4.歩行速度が速くなると遊脚相の比率は低下する。:錯誤。逆に増加する。
5.遊脚相で下肢が体幹の後方にある時期を減速期という。:錯誤。体幹の前方にあり、減速期はその前に振られる段階。
覚えるポイント
「立脚中期に重心が最も側方に移動する」という記述は、歩行の運動学の基本的なパターンであり、臨床評価や歩行訓練において頻繁に使用される。このことから、正常歩行の理解には、各相における重心の動的変化を正確に把握することが不可欠である。