59AM035|第59回 理学療法士国家試験 過去問
筋萎縮性側索硬化症で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3.筋萎縮は四肢の遠位に著しい。
この問題のポイント
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動ニューロンの進行性障害を特徴とする疾患で、筋萎縮の発生部位が診断に重要なヒントとなる。理学療法士が臨床で対応する際には、筋力の変化のパターンを正確に把握することが必要である。
解説
ALSでは、運動神経細胞(上運動神経と下運動神経)が徐々に障害され、その結果、筋肉の萎縮が起こる。この萎縮は初期に四肢の遠位部(手、足の指、足趾など)から始まり、進行とともに近位部(肩、股関節周囲)に拡大する。これは、遠位筋群が比較的早期に影響を受けるための典型的な特徴である。
一方、認知機能障害や深部感覚の障害はALSの主な症状とは言えず、感覚神経は比較的正常に保たれる。眼球運動は早期に障害されず、むしろ進行した末期に見られる。また、呼吸筋の障害により動脈血二酸化炭素分圧(PaCO₂)は上昇する(低値ではない)。
理学療法士が評価を行う際には、遠位から近位へと進行する筋萎縮のパターンを観察することで、ALSの進行段階を推測できる。特に、手の機能障害が顕著な場合、その発生順序が診断に貢献する。
選択肢の確認
1.深部感覚が障害されやすい。:錯誤。ALSでは感覚神経は正常に保たれる。
2.認知機能が障害されやすい。:部分的に関連あり(FTDとの関連)だが、典型的な症状ではない。
3.筋萎縮は四肢の遠位に著しい。:正しい。ALSの特徴的な発症パターン。
4.眼球運動が早期に障害されやすい。:錯誤。眼球運動は早期に障害されず、末期に現れる。
5.動脈血二酸化炭素分圧が低下しやすい。:錯誤。PaCO₂は呼吸筋の障害により上昇する。
覚えるポイント
「遠位から近位へ、手から足へ」と覚えておくと、ALSの筋萎縮の進行順序が明確になる。