111Q221|第111回 薬剤師国家試験 過去問
58 歳男性。身長 168 cm、体重 70 kg。3 年前に2 型糖尿病と診断され、食 事療法と運動療法に加え、処方1 の薬剤で治療を受けていた。足に痛みやしびれが 生じたため、本日、処方2 及び処方3 の薬剤が追加になり、検査値が併記された処 方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師による聞き取りにより、半年前から他の医療機 関で処方されたパロキセチン錠 20 mg を服用していることが分かった。 (処方1 ) テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物・カナグリフロジン水和物配合錠 (注) 1 回1 錠 (1 日1 錠) 1 日1 回 朝食前 30 日分 (処方2 ) エパルレスタット錠 50 mg 1 回1 錠 (1 日3 錠) 1 日3 回 朝昼夕食前 30 日分 (処方3 ) デュロキセチン塩酸塩カプセル 20 mg 1 回1 錠 (1 日2 錠) 1 日2 回 朝夕食後 30 日分 ⎧ | | ⎩ ⎫ | | ⎭ 注:テネリグリプチンとして 20 mg、カナグリフロジンとして 100 mg を含 有する。 (本日の処方箋に記載されていた検査値) 血圧 115/65 mmHg、HbA1c 7.0%、CCr 90 mL/min、AST 14 IU/L、 ALT 16 IU/L、LDL-C 95 mg/dL、TG(トリグリセリド)155 mg/dL、 空腹時血糖 114 mg/dL 処方2 及び処方3 を確認した薬剤師が、聞き取り内容を考慮し、処方に関して医 師へ行う提案として適切なのはどれか。1つ選べ。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
新規処方だけでなく他院薬パロキセチンとの薬効重複を確認し、糖尿病性末梢神経障害性疼痛への代替薬を選びます。
解説
デュロキセチンはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬で糖尿病性神経障害に伴う疼痛へ用いられますが、この患者は既にSSRIのパロキセチンを服用しています。併用するとセロトニン作用が重複し、セロトニン症候群などの危険が高まるため、単なる減量より併用回避を提案します。ミロガバリンは電位依存性Ca²⁺チャネルのα2δサブユニットへ結合する末梢性神経障害性疼痛治療薬で、セロトニン作動性を重複させません。CCr 90 mL/minなので通常の腎機能別開始を検討できます。エパルレスタット50 mg 1日3回食前は標準用法で、減量・食後変更の根拠はありません。
選択肢の確認
1.処方1 の薬剤を減量:誤り。検査値から直ちに減量する根拠はありません。
2.処方2 の薬剤を減量:誤り。エパルレスタットは標準用量です。
3.処方2 の薬剤を食後へ変更:誤り。食前投与が定められています。
4.処方3 の薬剤を減量:誤り。パロキセチンとのセロトニン作用重複を十分に解決しません。
5.処方3 の薬剤をミロガバリンべシル酸塩錠へ変更:正答。異なる機序で神経障害性疼痛を治療できます。
覚えるポイント
他院SSRI+新規SNRIはセロトニン作用重複を疑義照会。代替のα2δリガンドなら機序を分けられます。