109Q231|第109回 薬剤師国家試験 過去問
56 歳男性。30 歳から印刷会社に勤務している。6 ケ月ごとに実施される 特定化学物質健康診断を受診したところ、第一次検査の結果は以下のとおりであっ た。 (第一次検査の検査値) 身長165 cm、体重62.5 kg、体温36.6 ℃、血圧122/83 mmHg、 脈拍76 拍/分、AST 40 IU/L、ALT 46 IU/L、γ︲GTP 95 IU/L 第二次検査として、腹部の超音波による検査等の画像検査、呼気中の一酸化炭素 量の測定、血清間接ビリルビン及び血液中の腫瘍マーカーの検査を受けた。 (第二次検査の検査値(一部抜粋)) 血清間接ビリルビン0.97 mg/dL(総ビリルビン1.81 mg/dL、直接ビリルビン 0.84 mg/dL)、胆道がんの腫瘍マーカー陽性 画像検査で胆道に腫瘍が見つかった。 この男性は第二次検査の結果から、最終的に胆道がんと診断された。その原因と なった可能性が高いと考えられる化学物質はどれか。2つ選べ。 1 2 3 CH3 Cl Cl Cl NH2 CH3 Cl 4 5 O Cl P CH3 O O NH2 H2N O Cl CH3 Cl Cl

解答・解説を見る
正解: 1・3
正答
1・3
この問題のポイント
印刷業の洗浄剤曝露と胆管がんの組合せから、ジクロロメタンと1,2-ジクロロプロパンの構造を選びます。
解説
校正印刷機などの洗浄作業で高濃度曝露した労働者に胆管がんが多発した事例では、ジクロロメタンと1,2-ジクロロプロパンが問題となりました。公式図の選択肢1は炭素1個にClが2個結合するCH2Cl2、ジクロロメタンです。選択肢3はClCH2-CHCl-CH3、1,2-ジクロロプロパンです。選択肢2はo-トルイジン、4はMOCA(4,4′-メチレンビス(2-クロロアニリン))、5は有機リン化合物のジクロルボスで、いずれも本事例で問う二つの塩素化有機溶剤ではありません。曝露低減には局所排気、密閉化、保護具、作業環境測定が重要です。
選択肢の確認
1.選択肢1(画像参照):正答。ジクロロメタンCH2Cl2です。
2.選択肢2(画像参照):o-トルイジンで、対象の洗浄用有機溶剤ではありません。
3.選択肢3(画像参照):正答。1,2-ジクロロプロパンです。
4.選択肢4(画像参照):MOCA(4,4′-メチレンビス(2-クロロアニリン))で、該当しません。
5.選択肢5(画像参照):有機リン化合物のジクロルボスで、該当しません。
覚えるポイント
印刷業胆管がん=ジクロロメタンと1,2-ジクロロプロパンへの高濃度・長期曝露です。