109Q229|第109回 薬剤師国家試験 過去問
70 歳男性と60 歳女性の夫婦。2 人で、打たせ湯のある温泉施設に日帰り 旅行へ行ったところ、翌日夜に女性は全身倦怠感と頭痛を伴う発熱の症状を呈した が、自宅療養し、2 日後に回復した。一方、男性は旅行から帰った5 日後に発熱 し、呼吸困難感、湿性咳嗽と胸痛の症状が見られたため、医療機関を受診したとこ ろ、肺炎と診断され入院となった。男性は身長165 cm、体重53 kg。入院時の各種 検査結果は以下のとおりである。さらに、この男性が罹患している疾病に関して、 尿中抗原検査及び喀痰の遺伝子増幅法検査を追加で施行した結果、いずれも陽性と なった。夫婦は同じ病原体に罹患し、女性はポンティアック熱であったと考えられ た。 (身体所見) 体温38.2 ℃、血圧101/62 mmHg、脈拍95 拍/分(整)、 SpO2(ルームエアー)93% (検査所見) 白血球12,000/μL、赤血球440 × 10 4/μL、Hb 14.3 g/dL、 血小板20 × 10 4/μL、AST 25 IU/L、ALT 20 IU/L、 総ビリルビン0.8 mg/dL、血清クレアチニン2.0 mg/dL、CRP 18.2 mg/dL、 SARS︲CoV2︲PCR(鼻咽頭ぬぐい液)陰性、尿中肺炎球菌抗原検査陰性 この男性患者が罹患した疾病に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選 べ。
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正解: 2・3
正答
2・3
この問題のポイント
レジオネラ症は環境水のエアロゾルを介し、高齢者・免疫低下者などで重症化します。通常は人から人へ飛沫感染しません。
解説
Legionellaは循環式浴槽、冷却塔、加湿器などの人工水環境で増殖し、汚染水から発生した微細なエアロゾルを吸入して感染します。高齢、喫煙、慢性肺疾患、免疫抑制などがレジオネラ肺炎の危険因子で、日和見感染症として重症化し得ます。通常、患者から他者への直接の飛沫感染は起こらず、集団発生時は共通の環境水源を調査します。感染症法上は四類感染症で、三類ではありません。予防の中心は設備の水温・消毒・清掃管理で、ヒト用ワクチンはありません。
選択肢の確認
1.感染症法 (注)において三類感染症に分類される。:四類感染症です。
2.高齢者や免疫力の低下した人がかかる日和見感染症である。:正答。重症化リスクが高いです。
3.ビル空調機の循環冷却水や加湿器から発生するエアロゾルを吸入することで集 団発生しやすい。:正答。環境水が感染源です。
4.罹患者の飛沫によって、直接他者へ感染する。:通常は人から人へ感染しません。
5.ワクチン接種により予防することができる。 (注)感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律:ワクチンはなく、設備管理で予防します。
覚えるポイント
レジオネラ=四類、環境水エアロゾル、原則人―人感染なし、ワクチンなしです。