109Q228|第109回 薬剤師国家試験 過去問
70 歳男性と60 歳女性の夫婦。2 人で、打たせ湯のある温泉施設に日帰り 旅行へ行ったところ、翌日夜に女性は全身倦怠感と頭痛を伴う発熱の症状を呈した が、自宅療養し、2 日後に回復した。一方、男性は旅行から帰った5 日後に発熱 し、呼吸困難感、湿性咳嗽と胸痛の症状が見られたため、医療機関を受診したとこ ろ、肺炎と診断され入院となった。男性は身長165 cm、体重53 kg。入院時の各種 検査結果は以下のとおりである。さらに、この男性が罹患している疾病に関して、 尿中抗原検査及び喀痰の遺伝子増幅法検査を追加で施行した結果、いずれも陽性と なった。夫婦は同じ病原体に罹患し、女性はポンティアック熱であったと考えられ た。 (身体所見) 体温38.2 ℃、血圧101/62 mmHg、脈拍95 拍/分(整)、 SpO2(ルームエアー)93% (検査所見) 白血球12,000/μL、赤血球440 × 10 4/μL、Hb 14.3 g/dL、 血小板20 × 10 4/μL、AST 25 IU/L、ALT 20 IU/L、 総ビリルビン0.8 mg/dL、血清クレアチニン2.0 mg/dL、CRP 18.2 mg/dL、 SARS︲CoV2︲PCR(鼻咽頭ぬぐい液)陰性、尿中肺炎球菌抗原検査陰性 この男性患者に対する治療薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
温泉・エアロゾル曝露、ポンティアック熱と重症肺炎の組合せはLegionella感染を示し、細胞内移行性のよい薬を選びます。
解説
夫婦は温泉施設のエアロゾルからLegionellaを吸入し、女性は自然軽快するポンティアック熱、男性はレジオネラ肺炎を発症したと考えられます。Legionellaは細胞内寄生性のグラム陰性桿菌で、βラクタム系は細胞内移行性や菌のβラクタマーゼなどの点から十分な治療効果を期待しにくいです。ニューキノロン系レボフロキサシンは細胞内移行性が高く、重症レジオネラ肺炎の適切な治療薬です。本例はクレアチニン2.0 mg/dLなので腎機能を評価し用量調整します。オセルタミビルはインフルエンザ、ニルマトレルビル・リトナビルはCOVID-19用です。
選択肢の確認
1.レボフロキサシン:正答。レジオネラに有効なニューキノロンです。
2.オセルタミビル:インフルエンザウイルス薬です。
3.アモキシシリン:レジオネラ肺炎の適切な第一選択ではありません。
4.セフジニル:経口セフェムで、細胞内のLegionellaに適しません。
5.ニルマトレルビル・リトナビル:SARS-CoV-2感染症の薬です。
覚えるポイント
レジオネラ肺炎はニューキノロンまたはマクロライド。温泉・循環水・エアロゾルが手掛かりです。