109Q216第109回 薬剤師国家試験 過去問

54 歳女性。数ケ月前より、咽頭痛及び頸部リンパ節腫脹を認めた。精査の 結果、悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫)と診断され、初回治療 としてR︲CHOP 療法を開始するために入院となった。 化学療法施行前にB 型肝炎ウイルスのスクリーニング検査を実施したところ、 次の検査結果であったため、以下の処方が開始となった。 (検査結果) HBs 抗原(-)、HBc 抗体(+)、HBs 抗体(+)、 HBV︲DNA 量25 IU/mL(基準値20 IU/mL) (処方) エンテカビル錠0.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 就寝前 7 日分 この患者のB 型肝炎ウイルス関連検査結果に関する記述のうち、正しいのはど れか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: 1・3

正答

1・3

この問題のポイント

HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体が示す意味を、ワクチン接種と既往感染で区別します。

解説

HBs抗原はHBVエンベロープ表面抗原で、陽性は現在の感染を示す指標です。ワクチンは組換えHBs抗原を含むため、接種だけならHBs抗体は生じてもHBc抗体は生じません。本例のHBc抗体・HBs抗体陽性は既往感染を示します。HBs抗体陽性だけではキャリアとはいえず、キャリアの判断にはHBs抗原やHBV-DNA等を含めます。本例はHBV-DNA検出下で免疫抑制療法を予定し、再活性化対策が必要です。

選択肢の確認

1.HBs 抗原は、エンベロープに含まれる抗原であり感染の指標となる。:正答です。
2.HBc 抗体(+)、HBs 抗体(+)という検査結果は、この患者が過去に組換え 体HBs 抗原タンパク質を成分とするB 型肝炎ワクチンを接種したためである。:ワクチンのみではHBc抗体は陽性になりません。
3.この患者のHBs 抗体を6 ケ月後に再測定して陽性であっても、B 型肝炎ウイ ルスキャリアとはいえない。:正答です。HBs抗体は防御抗体です。
4.HBs 抗原(-)、HBc 抗体(+)という検査結果から、この患者は急性肝炎と 判断される。:この組合せだけで急性肝炎とは判断できません。
5.HBV︲DNA の検査では、宿主細胞の染色体内に挿入されたウイルスDNA のみ が定量される。:血中のウイルスDNA量を定量します。

覚えるポイント

ワクチン後はHBs抗体のみ、HBc抗体陽性なら自然感染歴を考えます。

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