109Q177第109回 薬剤師国家試験 過去問

抗悪性腫瘍薬であるイリノテカンはプロドラッグである。この薬物の製剤 と代謝に関する以下の問に答えよ。 イリノテカン塩酸塩水和物を有効成分とするオニバイド点滴静注に関する記述 のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。なお、本製剤は以下の添加物を含む。 添加物 1,2︲ジステアロイル︲sn︲グリセロ︲3︲ホスホコリン、コレステロール、 N︲(カルボニル︲メトキシポリエチレングリコール︲2000)︲1,2︲ジステアロイル ︲sn︲グリセロ︲3︲ホスホエタノールアミンナトリウム塩、 4︲(2︲ヒドロキシエチル)︲1︲ピペラジンエタンスルホン酸

2つ選択
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正解: 2・4

正答

2・4

この問題のポイント

オニバイドの脂質組成からPEG修飾リポソームを見抜き、長時間滞留と腫瘍移行の仕組みを区別します。

解説

オニバイドはイリノテカンを脂質二重膜小胞に封入したリポソーム製剤です。添加物のDSPCとコレステロールが膜を構成し、PEG結合リン脂質が表面に親水性の立体障壁をつくります。これによりオプソニン化や細網内皮系による取り込みが抑えられ、循環血中に長く滞留します。抗体やリガンドで腫瘍特異的受容体を狙う能動的標的化ではなく、腫瘍血管の透過性などを利用する受動的な集積です。粒子径はおよそ110 nmのナノ領域で、150 nm程度という値とは区別します。

選択肢の確認

1.イリノテカンをポリエチレングリコール誘導体で可溶化した製剤である。:PEG誘導体で分子を単に可溶化したものではなく、脂質二重膜へ封入した製剤です。
2.ポリエチレングリコールで表面が修飾されたリポソーム製剤である。:正答。PEG結合リン脂質がリポソーム表面を修飾しています。
3.能動的ターゲティングにより腫瘍に集積する。:腫瘍特異的リガンドを用いる能動的標的化ではなく、長時間循環に基づく受動的集積です。
4.細網内皮系を回避することにより血中に滞留する。:正答。PEG層が細網内皮系による捕捉を抑え、血中滞留を延長します。
5.製剤中に含まれる微粒子は150 nm 程度である。:平均粒子径は約110 nmであり、150 nm程度とはいえません。

覚えるポイント

PEG化リポソームは、親水性PEG層で細網内皮系を回避して長時間循環します。オニバイドの集積は能動的標的化ではありません。

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