60PM014第60回 作業療法士国家試験 過去問

18 歳の男子。2 年前までは成績優秀で友人も多かった。1 年前から口数が減り 徐々に欠席が増え、半年前から不登校となった。「隣人が見張っている」と言いだし 自室のカーテンを一日中閉めたままにしている。1 か月前から自室に引きこもり、 「自分の考えが人に伝わってしまう」、「誰もいないのに自分の悪口が聞こえてくる」 などと言うようになった。2 週前から入浴をしていない。 この患者の症状で誤っているのはどれか。

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正解: 2

正答

2.行為心迫

この問題のポイント

「誤っているのはどれか」という設問は、患者の症状に一致しないものを選ぶことにより、診断の正確性と症状の理解を問う。特に、統合失調症の典型的な症状群(幻聴、思考伝播、被害妄想、無為自閉)と、それらとは異なる躁状態の症状(行為心迫)を区別することが鍵となる。

解説

本症例は18歳の男性で、2年前までは成績優秀で社交的であったが、1年前から口数の減少、欠席増加、不登校に至り、現在は自室に引きこもり、入浴も行わず、幻聴や思考の問題、被害妄想を訴えている。これらの症状は統合失調症の典型的な発症経過を示す。

特に「自分の考えが人に伝わってしまう」「誰もいないのに悪口が聞こえる」「隣人が見張っている」という表現は、思考伝播(自我障害)や幻聴、被害妄想の典型的な例である。また、自室に引きこもり、入浴をしない状態は「無為自閉」として陰性症状に該当する。

一方、「行為心迫」とは、観念が強く湧き上がり、行動が止まらない状態で、主に躁状態に見られる症状である。本例では活動が極端に低下しており、引きこもり、行動が全くない状態であるため、行動が止まっている(活動低下)ことから、行為心迫とは逆の状態である。したがって、本例に認められるのは「誤っている」症状である。

選択肢の確認

1.幻 聴:「誰もいないのに悪口が聞こえる」→ 記述に一致 → 正しい
3.思考伝播:「自分の考えが人に伝わってしまう」→ 自我障害の典型 → 正しい
4.被害妄想:「隣人が見張っている」と言う → 被害妄想 → 正しい
5.無為自閉:引きこもり、入浴しない → 陰性症状として成立 → 正しい
2.行為心迫:活動の増加や行動の奔逸を示すが、本例は活動低下 → 誤っている

覚えるポイント

「誤っているのは」という設問では、活動低下・引きこもり・行動停止を示す症状は「行為心迫」ではなく、無為自閉陰性症状に該当する。躁状態の症状(行動の増加)と、統合失調症の陰性症状(活動低下)を正確に区別することが重要である。

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