60PM015第60回 作業療法士国家試験 過去問

30 歳の女性。統合失調症。高校在学中に発症し休学をしながらも高校を卒業し た。その後数回の入退院を経て、現在精神科デイケアを利用している。「作業の手 順が分からない」、「説明がよく分からない」と訴えるため、認知機能検査を実施し た。図版の一部を図に示す。 この検査で評価するのはどれか。

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正解: 2

正答

2.遂行機能

この問題のポイント

統合失調症の患者が「作業の手順が分からない」「説明がよく分からない」と訴える際、認知機能のうち「計画立案」「問題解決」「ルール遵守」の能力が評価される。本問では、ハノイの塔課題(大・中・小の円盤が3本のポールに配置された状態)が提示されており、その移動手順を「大きい円盤の上に小さい円盤しか置けない」というルールに従って実行する必要がある。この課題は、患者が複雑な作業を段階的に計画し、順を追って実行できるかを問うものであり、遂行機能の代表的な評価手法である。

解説

本検査で評価されるのは「遂行機能」である。ハノイの塔は、患者が複数の要素(円盤の大きさ、ポールの配置、移動順)をもとに計画を立て、段階的に問題を解決する能力を測る。特に、統合失調症では前頭葉機能の障害が顕在化し、作業の手順を理解・記憶・実行することが困難となるため、この課題は日常的な作業遂行における課題を模倣している。患者が「手順が分からない」と訴えることから、その背景にある認知的課題として「遂行機能の障害」が強く疑われる。

図版ではA・Bの配置が示されており、その間の変化をもとに、患者がルールを理解し、計画を立て、順を追って行動できるかが評価される。このプロセスは、ワーキングメモリーの保持や注意の維持を含むが、主な評価領域は「遂行機能」である。

選択肢の確認

1.運動機能:身体の動きや筋力、協調性を評価するが、本課題は操作の計画性に焦点を当てており、運動機能とは関係ない。
2.遂行機能:正しい。ルールに基づいた計画立案・段階的問題解決が評価される。
3.言語流暢性:言語の量や速度を評価するもので、図版操作とは無関係。
4.注意と処理速度:時間制限付き課題(例:TMT)で評価されるが、本検査は時間ではなく「手順の理解」と「実行」に焦点。
5.ワーキングメモリー:要素として関与するが、主な評価領域は遂行機能である。

覚えるポイント

「手順が分からない」→ 計画が立てられない → 遂行機能の障害 → ハノイの塔で確認。

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