60AM018第60回 作業療法士国家試験 過去問

50 歳の男性。1 年前より物忘れのために仕事で失敗が認められるようになった。 また、通勤中道に迷うようになったため、3 か月前に退職。精神科病院で Alzheimer 型認知症の診断を受け、精神科作業療法に通うこととなった。 この患者の症状を評価する尺度で最も適切なのはどれか。

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正解: 1

正答

1.NPI

この問題のポイント

認知症患者の「行動・心理症状(BPSD)」を評価する際、特に日常生活に影響を与える妄想、不安、睡眠障害、食行動異常などに焦点を当てた尺度が適切である。本問ではAlzheimer型認知症の症状評価を求めるため、BPSDの頻出評価ツールであるNPIが最も適切。

解説

50歳の男性が1年前から物忘れや通勤中の道に迷い、仕事上の失敗を繰り返しており、Alzheimer型認知症と診断されている。このような患者では、認知機能の低下に伴う行動・心理症状(BPSD)が生活の質を大きく左右する。これらの症状は、妄想、不安、睡眠障害、興奮、無関心など多様で、家族や介護者からの観察に強く依存される。
そのような状況では、患者の生活環境や家族の経験に基づいた詳細な評価が必要であり、NPI(Neuropsychiatric Inventory)はそのために設計された尺度である。NPIは、患者の行動・心理症状を家族・介護者にインタビューして評価し、臨床的判断や介入計画に活用される。特に、認知症患者の行動問題を総合的に把握する上で、最も適切な評価ツールである。

選択肢の確認

1.NPI:認知症患者の行動・心理症状(BPSD)を家族・介護者からの観察で評価。本症の症状に最も適している。
2.PANSS:統合失調症の陽性・陰性症状評価。認知症には適用されない。
3.RAS:リカバリーの評価に用いられる。症状の有無評価ではなく、回復過程を測るため不適切。
4.SANS:統合失調症の陰性症状評価。認知症の評価には関与しない。
5.SMSF:長谷川式簡易知能評価に類似するが、BPSD評価には向いていない。

覚えるポイント

「認知症の行動・心理症状(BPSD)を評価するなら → NPI」
特に老年期・若年性認知症でも、生活に支障をきたす行動症状の評価にはNPIが標準的。他のスケールは対象疾患に特化しており、本問の状況に不適切。

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