60AM011第60回 作業療法士国家試験 過去問

32 歳の女性。右利き。運輸会社で10 年間事務を担当している。1 か月前に脳梗 塞を発症したが、運動麻痺は認めないため退院し職場復帰した。与えられた仕事は 意欲的に集中して行い、指示されたことを実行することはできていたが、上司から は自分で段取りを考えて行動ができないとの指摘を受けることが多くなった。 この患者の高次脳機能障害の検査で最も優先されるのはどれか。

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正解: 1

正答

1.BADS

この問題のポイント

脳梗塞後に「自分で段取りを考えて行動できない」という主訴がある場合、その症状は遂行機能障害(実行機能障害)と診断される。この障害は、計画・問題解決・認知的柔軟性の低下を示しており、高次脳機能評価において最も重要な検査はBADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome)である。

解説

本症例では、患者は仕事の指示を正確に実行できるが、自分で段取りを立てられないという点が課題である。これは「計画・段取りの困難」という遂行機能障害の典型的な症状である。高次脳機能の評価では、このような認知的行動の欠如を正確に把握するため、BADSが最も適切である。BADSは6つのサブテストから構成され、計画、問題解決、柔軟性などの遂行機能を評価できるため、職場復帰における行動の改善に直接関連する。

一方、他の検査は以下の通り:

  • BIT(半側空間無視)は空間認知の評価であり、本症例に無関係。
  • CAS(標準注意検査法)やCAT(臨床注意評価)は注意機能を評価するが、主訴は注意の欠如ではなく「段取りの困難」。
  • RBMT(リバーミード行動記憶検査)は記憶機能評価であり、記憶障害の証拠が無いため適切でない。

したがって、患者の主訴に最も直接対応する検査はBADSである。

選択肢の確認

1.BADS:適切。段取り・計画の困難を評価できる。
2.BIT:適合しない。空間無視の評価で、本症例に該当しない。
3.CAS:注意機能評価。主症状とは異なる。
4.CAT:同様に注意機能に焦点。本症例の核心ではない。
5.RBMT:記憶評価。記憶障害の証拠なし。

覚えるポイント

「段取りが立てられない」=遂行機能障害BADSを即答できるように。高次脳機能の評価では、行動の計画・実行に必要な認知プロセスを評価する検査が最も優先される。

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