59AM019|第59回 作業療法士国家試験 過去問
70 歳の男性。統合失調症。数回の入院歴があるが、精神科デイケアを利用しな がら独居生活を継続していた。半年前に脳梗塞を発症し、軽度の右片麻痺を呈し た。最近、体力低下が原因でデイケアへの通所回数が減り、「家事ができなくなっ た」と訴えた。今後、独居生活が困難になることが予想された。 現時点で、精神科デイケアの担当作業療法士が優先して検討すべきものはどれ か。
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正解: 2
正答
2.介護保険サービスの利用
この問題のポイント
高齢化社会において、65歳以上の精神疾患を持つ患者でも身体機能の低下が進む場合、身体的支援の優先度が介護保険サービスに移る。特に脳梗塞後の運動機能障害や体力低下が日常生活の自立を脅かす際、精神科デイケアのサービスだけでは対応できないため、身体機能の維持・回復を目的とした介護保険サービスの導入が最優先となる。
解説
70歳の男性は統合失調症の診断を受けているが、現在の課題は脳梗塞後の右片麻痺と体力低下による家事の困難である。この状況では、日常生活の自立(ADL・IADL)が著しく損なわれており、独居生活が持続できないリスクがある。
作業療法士の役割は、患者の生活の質を高めるために「できる範囲での生活支援」を提供すること。この患者は65歳以上であり、介護保険の第1号被保険者に該当するため、要介護・要支援の認定を受けることが可能。訪問介護や通所リハビリなどのサービス導入により、家事の支援や身体機能の維持が可能になる。
また、精神科デイケアと併用することで、精神症状の管理と身体的支援を同時に行えるため、医療・介護の連携が最も効果的である。
選択肢の確認
1.精神科病院への入院:現時点で精神症状の急性増悪は確認されていないため、過剰介入。
2.介護保険サービスの利用:身体機能の低下と生活支援の必要性から、最優先。
3.同行援護のサービス利用:視覚障害者向けのサービスで、本症例には該当しない。
4.重度認知症患者デイケアの利用:認知症の記載なし、適応外。
5.障害者地域生活支援センターの見学:見学は情報収集に過ぎず、直接的な支援にはならない。
覚えるポイント
「65歳以上で身体機能が低下している場合、介護保険サービスの導入が最優先」。精神疾患があっても、身体的自立が脅かされるときは、介護保険の活用が第一の選択となる。作業療法士はその「生活支援の橋渡し」を担う。