118F62|第118回 医師国家試験 過去問
外科系整形外科関節疾患・人工関節
この時点で開始すべき抗菌薬はどれか。
解答・解説を見る
正解: d
正解
d バンコマイシン
判断のポイント
人工関節周囲感染では、起因菌として ブドウ球菌、特に MRSA を含むグラム陽性球菌 が重要です。
しかも本症例は、発熱に加えて低血圧と頻脈を伴っており、重症感染として初期治療を急ぐべき状況です。
この時点で必要な抗菌薬
感受性が判明していない初期段階では、MRSA をカバーできる抗菌薬 を選ぶ必要があります。
選択肢の中でそれに該当するのは バンコマイシン です。
実地臨床では、患者の重症度や術後感染であることを踏まえてグラム陰性菌も追加でカバーすることがありますが、この設問では選択肢の中からまず開始すべき薬剤として バンコマイシン を選びます。
各選択肢の検討
a アンピシリン
ブドウ球菌、とくに MRSA に対する初期治療としては不十分です。b クラリスロマイシン
マクロライド系であり、人工関節周囲感染や菌血症を疑う状況での初期治療薬としては適しません。c クリンダマイシン
一部のグラム陽性菌や嫌気性菌に有効なことはありますが、重症の人工関節感染に対する経験的単剤治療としては不十分です。d バンコマイシン
正解です。MRSA を含むグラム陽性球菌をカバーでき、初期治療として最も適切です。e ミノサイクリン
この状況での第一選択にはなりません。
まとめ
術後早期の人工関節周囲感染では、まず MRSA を外さない経験的治療 が重要です。
この時点で開始すべき抗菌薬は、d バンコマイシン です。