117E28|第117回 医師国家試験 過去問
社会医学・医療システム医療倫理・医療安全プロフェッショナリズム・法令
40歳の女性。シュノーケリング中にうつ伏せで浮かんでいるところを発見され、救急車で搬入された。救急隊が到着した際には心肺停止状態であり、適切な処置により心拍は再開したが、入院4日目の頭部単純CTで皮髄境界消失と尿崩症を認めたため、入院6日目と7日目に法的脳死判定を実施して脳死と判定された。事故の前に臓器提供に関する本人の口頭による拒否の意思表示はなかった。 この患者で臓器提供ができる根拠に該当しないのはどれか。
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正解: d
正解
d 医師の承諾
この問題のポイント
問われているのは、臓器提供が可能となる法的な根拠です。
医師は脳死判定や移植医療の実施に関与しますが、医師の承諾そのものが臓器提供の法的根拠になるわけではありません。
根拠となるもの
臓器提供の意思確認や実施の根拠として重要なのは、本人の意思表示や家族の承諾です。
本問の選択肢では次が該当します。
- 個人番号カードの意思表示
- 運転免許証の意思表示
- 健康保険証の意思表示
- 家族の承諾
これらは本人意思の確認や家族同意に関わる項目です。
なぜ d が誤りか
医師は手続きの主体ではありますが、本人の意思に代わって提供を許可する立場ではありません。
したがって、「医師の承諾」は臓器提供の根拠に該当しません。
各選択肢の整理
a 個人番号カードの意思表示
根拠になります。本人意思の確認資料として用いられます。b 運転免許証の意思表示
根拠になります。国試で頻出の意思表示媒体です。c 健康保険証の意思表示
根拠になります。これも本人の意思確認に使われます。d 医師の承諾
根拠になりません。これが正解です。e 家族の承諾
根拠になります。本人の拒否が明らかでない場合に重要な要素です。
ひっかけポイント
臓器提供の場面では医師の関与が非常に大きいため、「医師の承諾」が必要条件のように見えてしまうのがひっかけです。
しかし、法的に重要なのは本人意思と家族の承諾です。
覚えるポイント
- 本人の意思表示が基本
- 家族の承諾も重要
- 医師の承諾は根拠ではない
この整理を押さえておくと迷いにくくなります。