116D40|第116回 医師国家試験 過去問
内科系呼吸器COPD・喘息・気道疾患
53歳の男性。3年前から喘息コントロール不良で増悪を繰り返し、肺炎も繰り返すようになった。2週間前から肺炎と診断され抗菌薬治療中だったが効果が乏しく紹介受診。2歳から気管支喘息として加療。今回、白血球13,100(好酸球27%)、IgE 2,540IU/mL。抗アスペルギルス沈降抗体陽性、喀痰からAspergillus fumigatus検出、β-D-グルカン120pg/mL。CRP0.2mg/dL。 この患者に対する治療として適切なのはどれか。
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正解: d
正解
d 経口副腎皮質ステロイド
解説
この症例は、喘息 を背景に、
- コントロール不良
- 再発する肺浸潤影
- 好酸球増多
- IgE 高値
- 抗アスペルギルス沈降抗体陽性
- 喀痰から Aspergillus fumigatus 検出
を認めており、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症〈ABPA〉 を考えます。
ABPA の治療の中心は、経口副腎皮質ステロイド です。
なぜステロイドなのか
ABPA は、アスペルギルスの感染そのものよりも、過敏性免疫反応 が主体です。
したがって、治療の主眼は炎症とアレルギー反応を抑えることにあります。
各選択肢の検討
a シクロスポリン
誤りです。ABPA の標準的初期治療ではありません。b セフェム系抗菌薬
誤りです。細菌性肺炎ではありません。CRP が高くないことも参考になります。c 高用量吸入ステロイド
誤りです。喘息治療には有用ですが、ABPA の病勢を抑えるには通常全身性ステロイドが必要です。d 経口副腎皮質ステロイド
正しいです。ABPA の第一選択です。e アスペルギルス減感作療法
誤りです。標準治療ではありません。
ひっかけポイント
- 真菌が検出されるので、抗真菌薬を第一に考えたくなりますが、ABPA は感染症というよりアレルギー性疾患です。
- 国試では、喘息+好酸球増多+IgE高値+アスペルギルス関連所見 を見たら ABPA を疑えるかが重要です。
補足
抗真菌薬を補助的に併用することはありますが、設問で問われている初期治療の中心は 経口副腎皮質ステロイド です。
覚えるポイント
- 喘息
- 好酸球増多
- IgE高値
- アスペルギルス関連抗体陽性
- 治療は経口ステロイド
この流れで整理すると迷いにくくなります。